今後の活動方針
ここに至り、刑事法分野における、犯罪者に対する罪の「償い」を求める制度は確立致しました。
ところで、犯罪に対する「償い」を求める制度は、民事法分野においても賠償すべき制度が確立してこそ、法理念の両輪が保たれ究極的に秩序の安定が図られるものと言えます。しかし、民事法分野においては。殺人事件に対する「償いの制度」が未だ確立していない現況にあります。「償い」とは、あくまでも犯罪者自身が最も負うべき応報的観念かつ教育的観念と言えるのではないでしょうか。
現況を例示するならば、『宙の会』会員に、犯人が特定されていながら公訴時効に至り、せめて民事法においてでも犯人を特定して頂きたい一心から、民事訴訟を起こし、結果犯人として認定し、約7,500万円の賠償判決が示されている事例があります。今後、仮に犯人だった人が現れても、支払い能力の問題そして履行を求めての新たな訴訟手続きと二次的・三次的苦難は継続することとなります。現行の民事法においては、殺人事件の犯人として判決を下しても、「償いの賠償」判決は、当初から実効性は限りなく乏しい国家判断です。
他方、被害者支援の観点から、被害者遺族等に対する給付金制度等の法案整備は行われているところですが、国家による見舞金的制度をもって、犯罪者自身の負うべき「償い」の責任が軽減されるものではありません。あくまでも、生命の尊厳を奪った犯罪者に対しては、生命の尊厳に代わり得る賠償を求めてこそ法理は保たれると確信致します。
以上を勘案し、公訴時効制度廃止後の『宙の会』活動方針として、次の指針に基づき、究極の目的と
する生命の尊厳を基盤とする安全・安心社会を目指して引き続き活動を展開して参りたいと存じます。
○ 公訴時効制度廃止後の『宙の会』活動方針
① 民事損害賠償判決に対する、「代執行制度」の確立
国民の生命、身体、財産を守ることは国家の責任です。そのために国民は納税義務を果たしています。しかし、結果において殺人事件が発生した場合には、国及び自治体による治安責任を果たせなかったという何らかの責任は生じると考えます。他方、民事損害賠償裁判では、被告人(犯人)に対し賠償判決が示されますが、業務上過失事件の自動車保険制度のように確立された制度がない現況では、事実上賠償を得ることは極めて困難であり、実効性の乏しい司法判断を国が示していることとなっております。そのような実態を踏まえ、賠償の代執行を国に求め、国が被告人(犯人)に求償する制度を確立して頂きたいと願います。
② 未解決事件の情報提供呼びかけ
事件日等あらゆる機会を捉えて、警察及び報道関係機関等と連携を密にして関連情報の提供を呼びかけていく。
また、推進中の繁華街等の溜まり場における、掲示板設置者等に対するポスター貼付協力依頼を拡大して情報の提供を呼びかけていく。
③ 殺人事件被害者遺族との連携を推進
『宙の会』の活動方針について、共感する遺族と連携を図り、共に励まし合いながら事件解決に向け協働していく。
④ 生命の尊厳を訴え安全安心社会への貢献
講演等を通じて、被害者遺族の心境を語り、かけがえのない生命を守ることの大切さを訴え、安全安心社会への一助を果たしていく。
以上
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