安倍ってやばくね?(悪い意味の方) | 爺庵独語

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爺庵の独善的世相漫評

 爺庵が勤め人だった昔のことである。
 
 とある公的な団体のトップに、その業界では鼻つまみになっている人物が就任することになった。この人物は政治力だけはなぜか持っていて、その団体のトップに就任したのも政治的な力が働いたからであった。はじめにトップ交代の噂が流れたとき、その団体の某大幹部は、「あんな人がトップになるのだったら、私はもう辞めます」と他の幹部も同席する会議の場で公言したのであるが、いざトップ交代が現実のものとなるや、その某幹部はいつの間にやら新トップに接触し、揉み手スリスリ、前言などどこ吹く風で厚顔極まる保身に走った。周囲の人間は唖然呆然、声も出なかったが、間違いなくこの某幹部は周囲からの軽蔑を一身に受けたのである。
 
 この幹部に限らず、こうした行動を取る人間は、最も唾棄すべき者であると世間は知っている。
 
 そして、日本国の総理大臣たる安倍晋三が、いち早く米国の大統領選に勝ったトランプのもとへ馳せ参じて、高価な(といっても富豪と称されるトランプがそれを高価と感じたかどうかは判らぬと爺庵は思うが)ゴルフクラブを贈って(その代金は誰が払ったんだろう?)歓心を買おうとしたのも、上記の某幹部の行動と同様に、世界各国の指導者たちからは、安倍は唾棄すべき奴であると認められたであろう。
 
 そして世界中からの軽蔑を甘んじて受けてまで、トランプに対して尻を振って見せたにも関わらず、安倍がおねだりしたであろうTPP批准に対するトランプの態度軟化への期待は一蹴され、来年一月の新大統領就任と同時に米国がTPPを離脱することは免れない情勢となった。
 
 安倍は「世界中で一番先にトランプと会談するのは自分だ」と自己愛人間特有のアピールを大々的にやらかし、会談後には「まさに信頼できる指導者だと確信した」と満面の笑みをメディアに見せつけ、あたかも会見に大きな成果があったかのように装った。そしてこの四年間にわたって安倍晋三と共犯関係を築いてきたメディアもまた、その安倍の笑顔を大々的に報道してきたのであるが、それから僅かに一週間も経たぬ間に、それが安倍の空疎な思い込みに過ぎないことが露呈されたのである。
 
 この安倍の一連の行動は、日本外交史上に永遠に特記されるべき大失政であろう。
 
 世界中に日本が米国の属国に過ぎないという印象を強く与え、にも関わらずトランプから重要視されていないことをアピールするハメになった。トランプとの会談を終えてから赴いたペルーでのAPEC会合の場では、この四年間安倍のカウンターパートであったオバマ米大統領との会談を熱望しながら、オバマからは洟も引っかけてもらえないという恥さらしぶりであった。それも当然であろう。掌返しをされたオバマは、もともと安倍が信頼できるかどうかに疑問を持っていたのであり、大統領選以後の安倍の行動を見て、やはりこいつは信頼できない、軽蔑すべき人間であったのだと悟ったことであろう。
 
 もとより安倍の外交政策は拙劣を極めているのである。中韓両国との関係は最悪の情況が続いている。核兵器禁止条約の国連決議では、世界唯一の戦争被爆国であるにも関わらずそれに反対し、対米従属国であることを高らかにアピールした。COP22ではパリ協定の批准遅延によってオブザーバーの地位にとどまるという体たらくである。北方領土返還をめざすロシアとの交渉では、地元に錦を飾ろうとして奇矯にも山口県長門市のご贔屓旅館を舞台に設定して見せたが、おそらくプーチンは北方領土を経済協力の見せ餌としか考えておらず、何の成果も挙げられないであろう。
 
 内政に目を向けても、安倍の売り文句のアベノミクスなるものは事実上失敗に終った。憲法を侵した安全保障関連法は、国内の対立と政治不信を根深くさせただけである。政府人事と来た日には失敗のオンパレード、よくこれだけアホとバカばかり大臣やら副大臣やらの要職に就けられるもんだと思う。そういう輩をあえて選んでいるのか、サイコロを振って決めてももう少しマシな奴がいるんじゃないかと思うほどだ。
 
 要するに外も内も、安倍晋三のやらかすことは失敗ばかりなのである。
 
 然るに自民党は、総裁任期を延長し、安倍がこの先もまだ総理大臣になれるようお膳立てをするのだという。何十年か前にはあった自民党の自浄能力など、もはや雲散霧消しているのだ。
 
 国民諸君、こんな安倍晋三ごとき輩をいつまで支持するのか。爺庵は諸君に、俺たちやばくね?と思ってほしいのである。