人よ心あらば公明党を撃て | 爺庵独語

爺庵独語

爺庵の独善的世相漫評

 大阪市議会の野党会派が結束して橋下徹への問責決議をする方針が、公明党の裏切りによって頓挫した。

 爺庵は今日の昼、大阪市議会での問責決議を牽制するために、松井一郎が「問責決議可決なら出直し市長選をやる」と語ったと聞いて、内心快哉を叫んだのだ。それは橋下に対するリコール運動を待たずとも、選挙という橋下を断罪する機会が勝手に転がり込んでくることに対する快哉であった。リコールが成立したところで、橋下を大阪市政から完全に放逐するためには選挙を経なければならない。それであれば勝手に辞任して貰う方がよいではないか、と。

 然るになんぞや、この公明党のていたらくは。

 いや、これが公明党という政党の本質であることは、とうに判っていたことであった。党利党略のためには平気で裏切り行為をするのが、この党である。

 かつて大阪府議会では、議長ポストをめぐって民主党と公明党が提携し、比較第一党の自民党から議長ポストをかすめ取ったことがあった。このとき、議長の座は公明党が取り、民主党は副議長ポストを取った。公明党と民主党の間では、一年後の議長改選期には議長ポストを民主党に回す内約があったのだ。ところがその一年後、自民党は無所属議員を切り崩して議長ポスト奪回を計った。そのとき公明党は情勢不利と見切って、一年前の民主党との約束なぞ弊履のごとく捨て去り、あっさり自民党に協力する方に廻ったのである。まことに見事な裏切りであった。

 近年でも、橋下が知事の時代に大阪府政を混乱させた庁舎移転問題で、庁舎移転案を否決しながら、WTCビルの購入予算は可決するという馬鹿げた結果を生み出したのは、実は公明党の策謀である。このとき公明党の某議員(既に引退)は自党の議員を反対と賛成に振り分けさせ、ビル購入予算案が可決するよう票の調整をしたのである。その結果、ちょっと風が強いというだけでエレベーターが止まってしまうなど、到底庁舎の役に立たぬこのオンボロビルは、大阪市の不良資産から大阪府の不良資産へ移し替えられて始末に困る存在になり果てているのである。このとき何が橋下との取引材料になったのかは知らぬ。だが公明党が何の取引材料もなくこのような援護射撃を行うことは絶対にない。何かの政策課題への予算配分などが取引材料になっていたであろうことは容易に想像できる。

 それは例えば、2年か3年前に成人病センターという病院の移転問題でも露骨に見えている。この問題では一旦議会も認めていた病院の移転問題を、公明党の当時の議員団長(既に引退)が強引に政治問題化させ、移転着手のための予算を否決に導いたのであるが、その半年後にはうってかわって賛成にまわった。その背後には公明党の様々な要望を橋下が丸呑みするという取引があったに違いない。

 近くは衆院選で維新の会の支援を受けるため、議会に過半数与党を持たない大阪市長に転じた橋下を支えたのが公明党であったことは誰もが知る。

 結局のところ、大阪の政治を劣化させているのは、単に橋下徹と維新の会のせいではなく、裏切りと我欲の党である公明党の存在が極めて大きいのである。

 公明党とはこんな政党なのである。その醜悪さが露骨に現れたのが、今日の大阪市議会の馬鹿げた問責決議騒動である。おそらく今回も松井らと公明党との間には、何らかの取引があったに相違なかろう。

 公明党の綱領には「われわれが内に求め、行動の規範とするのは、高い志と社会的正義感、モラル性、強い公的責任感、そして民衆への献身です」と書いてあるが、ちゃんちゃらおかしい。実に橋下徹の詭弁に優るとも劣らぬ虚言妄言ではないか。

 人よ心あらば、橋下徹のみならず、公明党をも撃てよかし。