*注)性暴力描写、入ります。









…  🎶  …


…        …

リンリンリンリンリンリンリン…🦗゛






🎶…リンリンリンリ…




(アニキッ!?)



(…え… えぇッ!?どーゆーことォッ?)



(え?…ヤダ!… こ、恐い…)



(恐い、どーゆーこと? ッイ…恐いィ)



(え?何?何で?恐い コロされる…)



( 何でコイツ、人の乳首吸ってんの?)



(何やってんの?コイツ)



(イィィィ…ッイッ

恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い)



(気持ち悪いッ!!!!)



(何やってんだよコイツっ!)



(何でアニキが私の乳首吸ってんだよ!)



(え?、このバカッ!!何やってんだよ!)



(え?恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い)



(恐いよ〰️ 恐いよ〰️)



(…何でこんな事してんの?コイツ、何でこんな事…)








(…んーあーんー、どーする?この状況)



(んー、どーする?んーんーんー…)



(んー、まずは、気づかれないことだな)



(私が気づいている、という事に)




(そう、今はアニキに、私が気付いているという事を、気付かれないことで、この場を凌ごう)



(その先は、後で考えよう)



(んー、んー、親には言えない、てか、言ったらたぶん、私のせいにさせられる)



(たぶんそうなる、

いや、きっとそうなる)



(絶対に、そうなる、私にはわかる)



(だから親には、絶対に口が裂けても言えない、自分を守るためにも言えない)



(アニキは「おれは響子より、親から可愛がられてる」って自覚してるのだもの、絶対に、私が悪いって状況にさせられる)



(親は私の言う事より、アニキの言う事を信じる、絶対に、確実に)



(だって、小さい頃からそうだもの、特に、母さんはそうだ)



(母さんは、アニキが可愛くて可愛くてならない…)



(だから間違いなく、私が悪いと言われる)



(う゛〰️ッ!あ゛〰️ッ!あ゛〰️ッ!!)



(ッ、ダメだ、どうする事も出来ない…)







(うん…   どうにもできない、どうにもならない…)



(だけど、だけどひとまず何かをしないと…そう、そう、寝返りを打ってみよう、うん、そうしよう、そうしないと、この気持ち悪さは無くならない、終わらない…)






『ん…んー』

(あ゛ぁ〰️ぁあぁ〰️、恐いよ〰️恐いよ〰️)



『ん?何やってんだよ』



『え?』



『何やってんだよアニキ、人のベッドで…』



(あッ、あ、あ、あ、あ〰️恐いよ〰️恐いよ〰️、あ〰️、でも、でも言えたよ、うん、言えたね、うん言えた、うん、言えた)



(うん、よく言えた、うん、うん…

よく言ったね)



『あれさぁ響子ぉ、この前、おれの辞書持ってっただろ?返してもらおうと思って』



(ッ!)

『辞書は、机の上だよ!』



『お前さぁ、使ったらちゃんと、返そうな、返さないと、ダメだろ?な?』



(んんんんん〰️ッ!にッィィッ!何だとォてめー、ふざけやがってぇッ!)



『はいよ📘ッ』



『おっ、サンキュ〜』



(ふざけやがって!ふざけやがって!ふざけやがってェ!!

ん〰️ッ、ん゛〰️ッツ!くッ

勝ち誇ったような顔しやがってェ〰️)



(何してくれるんだッ!!)





=この日を境に、響子の高校入試、鞠男の大学入試直前までの約1年半程、響子は鞠男から身体をまさぐられ、睡眠不足と、鞠男から逃げる日々といった、地獄の日々が始まる=






『あ、響子ぉ、疲れてるだろ?おれマッサージしてやるよ、この電気マッサージ機、脚に使いやすくて疲れが取れるからやってやるよ』



『いいよ、疲れてないから』



『いいからやってやるよ、来いよ、腰にも使えるんだぞ』



『な?気持ちいいだろ?』



『別に、疲れてないから』



➖️➖️➖️➖️➖️

『響子の分のヨーグルト、残してあるから食べちゃえよ』



(混ぜないのがルールなのに、何で混ぜてあるんだ?

ニヤニヤ笑ってんじゃねぇよ!気持ち悪い!)



『美味しかったぞ、早く食べちゃえよ、音也が帰ってくる前に』



『ねぇ、美味しい?ねぇ?』



(何だ?コイツ)



➖️➖️➖️➖️➖️

『響子ぉ、膝の上のタオル借りるよ』

(何で下半身を触るように押し付けてくるんだよ!このバカ!!)



➖️➖️➖️➖️➖️

(う…うぅぅぅぅー苦しい…ん?何だよコイツ、また乳首吸ってるよ、もう止めてくれよ!)



(この、ランダムでやって来るの、ホント神経すり減るんだけど…)



(いつ来るのか分からない恐怖、もう、もういい加減にしてくれよ、寝不足も、ピークだよ…もう、クタクタだよ…)



(…んッ?えぇっ!?まさか…ランダム…



鞠男7歳、響子4歳、

まさかぁ⤴️



そう…あの日兄弟喧嘩をして私、アニキが両親から可愛がられていることに嫉妬して、その嫉妬心から、アニキの真新しい、ピカピカの1年生の教科書を、ランダムに、ボールペンと鉛筆で、ぐちゃぐちゃにしたんだった…)



(ランダムに…

あの時母さんが言ってた。

「ボールペンで書いてやがる、アッここからは鉛筆だ。

ボールペンじゃまずいと思ったんだろ」



そして消すのを手伝いながら、「アッここにも書いてある!」「こっちにも!」



「何だってまぁ飛び飛びで書いたんだろうか…、

あッ!勉強が先に進んでいった時まで苦しめてやろうと思ったんだろ!根性悪いぞー響子は!」)



➖️➖️➖️➖️➖️

『母さん』



『なんだい、鞠男』



『あれさぁ、響子なんだけどね、押し入れで寝てんだよねぇ』



『何?響子ッ!!押し入れで寝てて窒息でもしたらどーすんだよ!このバカ!

本当に、どうにもなんねぇバカだよォ』



(鞠男のヤツ〰️✊️゛絶対に許さん!何で母さんに言うんだよぉっ!お前のせいで私は寝られないんだぞ、バカ!)



『あれ?蛙川さん、今日も保健室?』



『あっ、先生、お腹痛いんで、横になっててもいいですか?』



『あらあら大変じゃない、落ち着くまでゆっくりしていきなさい』



『はぃありがと…ク〰️、ク〰️、ク〰️…😪』



(ん?寝たいだけ?まぁいいわ、部活も忙しそうだし、少しゆっくりしていけばいいわ)





(ゲッ!もう5時間目始まってる!?)



『はぁ〜い、じゃあ前回の…

(ガラガラガラ…)お〜い蛙川ぁ、お前最近さぁ…   …まぁ、  座っとけ』



『はい…、すみません…』



(もう、こんなんじゃ、身体がもたないよ…)



(だけど、誰にも言えない

言ったところで、誰もどうにもできないよ…絶対…あの父さんだし…)



(何かが親に知れたら、私はもう、生きてはいけない…)



『鞠男?何やってんだ?そんな所で』



『あっ、ばあちゃん…』








『何だ響子、鞠男はいつも来んのか?』



『うん…でもばあちゃん、父さんと母さんには言わないで…』



『何でだ?』



『だって…』



『あぁ…そうだな…

だけど、鞠男には言ってやる』



『うん…』





=29年後=


『アニキさぁ、ちょっと話したいことがあるんだ、会える?』



『おぉいいよ!響子、久しぶりィ!』



(相変わらず、軽いな)



『今日はお忙しいところ、お時間作ってもらえて嬉しいです、ありがとう』



『おぉ、で?元気にしてたの?どーしたのよ急に』



『うん、いきなりで悪いんだけど、仕事の都合で自分と向き合う必要があって、過去の整理をしてるんだ』



『おぉ、そうなんだ、大変そうだなぁ』



『うん、でも気持ちがいいもんだよ、自分と向き合うって』



『そうか』



『でね、私が中学生の時に、アニキ、私の身体を触ってきてたじゃない?』



『あ、あぁ…』



『あれ、どうして触ってきてたのかな?いつも可愛がってくれてたから、私の事が可愛かった?』



『え?…んー、かわいいってゆーかさぁ、あの時、お前がおれの辞書持って行ったまま返さなかっただろ?



で、取りに行ったら、お前の片乳がパジャマから出てたんだよ、で、まぁ吸ったって感じ?別に可愛いとかじゃなくて』



(コイツ逃げたッ!

辞書を返さなかった響子が悪いです、乳を出していた響子が悪いって言ってるようなもんじゃないか!

そこに乳があったから吸いました、的な、それを悪いと言うのなら、出ていた乳が悪いのです、的な、僕は何も悪くございません、的なぁッ!!)



『いや〜、あの後さぁ、色々と話しを聞くことになったのよぉ、あの頃さぁ、家によく来てた仲間たちいただろ?



その中でさぁ、兄貴に犯されたって子がいたのよぉ、で、もぅ精神的におかしくなっちゃったみたいでさぁ、話し聞いててかわいそうになっちゃったよぉ、だからおれ、響子と最後までヤラなくてよかったぁって思ってさぁ』



(あ゛ァ゛ッ!?もう一回言ってみろ!

もう一回言ってみろこのカスがぁッ!!🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥゛)



(ふざけんじゃねぇぞ、ふざけんじゃねぇ)



(何でそんなに軽く言えるんだよ!!あぁッん!?)



(ふざけやがって!

何十年苦しむと思ってんだ!私は死ぬまで一生抱えて生きるんだぞッ!?)



『今、響子から話を聞いて、「あぁ、とうとうこの時が来たかっ」て感じ、あの日からずっと、おれは苦しんできたんだ』



(はいぃッッッッッッ!?

ねぇ誰か!ねぇ誰か!このバカ処分してくださいッ!)



『パジャマから出ていた響子の乳首を吸った瞬間から、ずっと苦しんで来たんだ』



(何言ってんの?ねぇ、自分が何を言ってるか分かってる?)



(ねぇ、何で自分が被害者になっちゃってんの?ねぇ?)



(それは、自業自得というものでしょ?ねぇ)



(コントやってんじゃないんだよ何十年も掛けて、アホか!ボケッ!)



『あの、この事を許すか許さないかとか、そこは私にはまだ答えは出せないけれど、人間としてアニキのこと、』



『許していく方向で考えていく必要が私には、あると思ってる。時間は掛かると思うけど』



『だから恐らくこれからも、今まで通り距離は置くと思う』



『あまり関わってほしくないので、それに、気安く私に触らないでほしい』



『あぁ、うん…ごめんね』



『ぅん』



(気持ち悪い…アニキが…)



=この日から約10年、性暴力被害についても学んできた…



自閉症を持っている女性は特に、被害に遭いやすいとのこと、



しかも家族から、最初に家族から性暴力被害を受けるとのこと。



母さんも被害に遭って来た、響子も被害に遭った



悲しみの連鎖だ…



家族という、閉鎖的空間で行われている



愚かなこと…



ちゃんと、目を開いてものを見る必要が、あると思う。



自分の事も、他者の事も…



傷つくのはもう、嫌だ…



リーン …リーン… リーン…🦗゛



2024.8.20(火) 🌕️




11/108話


登場生き物

人間…蛙川響子、蛙川ひな子(響子・ 

   母)、蛙川鞠男(響子・兄)



指田郁也さんが歌う

『花になれ』に勇気づけられて🎶



今日もお読みくださって、ありがとうございます。



お休みなさい🪷