「学校に行きたくない。」
小学2年生のとき、クラス対抗の長縄大会の練習で上手く跳べなかった娘を、クラス全員が激しく責め立てた。
勝ちたかったんだろうな。熱くなっちゃったんだろうな。
それをきっかけに、幼稚園のころから仲良くしていた友達の一人が、娘の陰口をたたくようになった。
一人でいるときは以前のように話しかけてくるのに、他の子が来ると娘を仲間外れにするようになった。
娘は混乱した。
小さな体を震わせながら、「もう誰も信じられないよ。」と家で泣きじゃくっていたことを、今でも鮮明に覚えている。
娘にとって初めての裏切り。初めて自分に向けられた、絶対的な悪意。
「お前らの脳みそはサル以下か!」といった暴言を平気で吐き、生徒の頭をゲンコツで殴るような担任。
「学校は敵ばかり。」
好奇心旺盛で、毎日新しいことを学べる学校が好きだった娘は、いつしかそう思うようになった。
「学びの場」ではなくなってしまった学校。
ストレスから頻繁にお腹を壊すようになった。
それでも娘はまだ「学校に行きたくない。」とは言わなかった。
