昔、京都にいた頃、まだ子供時代に、絵の教室に通っていました。

本当は年齢制限で、入会できないほど幼かったのに、西田先生の判断でOKしてもらえたのは、何となく覚えています。

兄はよく、先生から、「この人は泣くと良い絵がかけます」と言われていたそうです。

私は兄が泣いてるのを見たことがありませんが。

娘が夏休みの宿題(四つ切り画用紙に絵を書いて提出)を8月27日までせずにいたので、道具を用意して書かせたものの、小さい絵にしか出来なくて、「もっと大きくかいてご覧」と、サイズを指定したら、泣きました。

泣くといい絵がかけるのかな、と思いきや、まったく進まなくなりました。

人によって違うのかな？とも思いましたが、とりあえず泣くばかりなので、「今年は出さなくていい。学校でも四つ切りなんて描いたことないなら、なおさらだ。先生にはお手紙書いとくね」と終わらせたのですが、こどもが画用紙いっぱいに絵を描かない、ということの方が気になりました。

ふと、西田先生の教室で書いた絵のことを思い出したのです。

そう言えば、手のひらより小さなカレイの干物を、画用紙いっぱいに描いたなあ。針小棒大画、なんて言ってたなあ。

とか。

パウル・クレーの抽象画を模写してたなぁ。あれも何かの役に立ってるのかなぁ、

とか。

色々考えていると、「西田先生の本ってないのかな」と思いつきました。

するとあったのです。

届いた本を開いてみると、「まず教師は生徒の心を開く必要がある。」「ユーモアが子どもの心を開く。決して皮肉は使ってはいけない」

書かせ方、というより、教える側の心構えのことが重点的に書かれています。

私が生まれる前に出版されたものです。

紙も茶色くなってます。

でも、言葉はとても新鮮なままです。

こんな気遣いを、子どもの私らにしてくれていたんだ、と感謝の心でいっぱいになりました。

私も、同じようなことを生徒達にさせています。大先輩のことばを胸に、マイクラ塾頑張ります。

娘に絵を書いてもらえるように、いろいろ家を調えようと思います。

絵は床で描くのがいいのか……そうだったのか……

この人は泣くといい絵がかけます。