小沢氏は衆院選マニフェスト(政権公約)を「国民との約束」と位置づけ、平成24年度に子ども手当の満額支給などを実現すると強調。政権構想には地方経済立て直しのための中核都市整備も盛り込んだ。公約が完全実施されれば、国民総生産(GDP)を約0・3%押し上げるとの試算もあり、市場からは「景気刺激に有効で株価も上昇する」と期待する声もあがる。
ただ、財源をめぐる小沢氏の説明は説得力に欠ける。共同記者会見でも国有財産の証券化といった腹案を示し、「任期中は無駄を省く。消費税はその後だ」と強調したが、無駄削減の余地が小さいことは政府の「事業仕分け」などで実証済み。大和総研の熊谷亮丸(みつまる)チーフエコノミストは「バラマキの印象がぬぐえない」と語る。実際、小沢氏の立候補で財政悪化への警戒感は高まり、1日の東京債券市場で長期金利が上昇した。短期的には景気浮揚をもたらしそうな「小沢流経済」も長期的には市場の失望を招く恐れのある“もろ刃の剣”だといえる。
「社会保障のあり方と財源を一体で議論する必要があり、消費税の議論をしていくことが必要だ」
共同会見で菅首相はこう述べ、参院選大敗でいったんは“封印”した増税論議を再び持ち出した。経済、財政、社会保障を一体的に強化するには将来の増税は避けられないとする持論だ。こうした考えには、菅首相の「現実主義者」(民間エコノミスト)ぶりがにじむ。経済政策では鳩山政権以来のバラマキ政策の色合いを薄め、法人税減税や経済連携協定(EPA)の推進も打ち出し、「家計重視・企業軽視」の政策も軌道修正した経緯もある。
もっとも、円高への対応の遅れが「失点」となったほか、今回の追加経済対策も「目的が不明確」(野村証券の木内登英(たかひで)チーフエコノミスト)。経済政策の理念に「雇用が第一」「最小不幸社会」など“長距離砲”が多いだけに、景気への即効性という点で疑問符がついている。