「病院」と一口にいっても、クリニックや大学病院、総合病院など、さまざまなジャンルの病院があります。医療法では、病床数20床以上を「病院」、19床以下を「診療所(クリニック)」と区別しており、診療所は、町のかかりつけ医の役割を担い、患者にとって身近な医療機関として機能しているのが特徴です。
一方、「診療所」では対応することができない重症患者や珍しい症例などに対応するのが病院であり、「大学病院」と「総合病院」があります。これらの違いは、主に医療を研究や教育対象にしているのかどうかです。大学病院はその名の通り、医学部や歯学部など、医療に関わる教育に携わる大学の附属機関としての位置づけになっており、扱った症例に関しての教育や研究にも力を注いでいます。そのため、より高度な医療を必要とするケースや最先端医療を取り扱うケースが総合病院よりも多い傾向にあるようです。
ちなみに、総合病院は医療法人が運営しており、地域医療の中核をなしているといえるでしょう。したがって、医療の質や症例数において、大学病院と変わらないレベルの高い設備が整っている病院も少なくありません。また、地域医療の頼りどころとして捉えられる総合病院は、地域のほかの病院やクリニックと密な連携を取っている場合が多いのも特徴の一つです。さらに、最近では「地域の包括的ケアシステム」にも力を入れており、医療機関にとどまらず、自治体や介護事業者とも連携を図った医療体制を整えています。総合病院については『総合病院ってどんなところ?』というサイトに詳しく書かれているので、興味がある方はそちらもぜひ読んでみてください。