(聖ビルジッタ「預言と啓示の書」第4巻/「天国と地獄と煉獄と教皇の書」第11章)
光栄ある聖母への聖アグネスからの賛美と祝福の言葉
そして娘である彼女がどのように聖母に祈るか
それに対する主と彼の甘美な母の答えと花よめに対する慰めの言葉
この世界を鍋とするたとえ
(第11章)
アグネスはこう言います
「おお、御母マリアさま、処女の中の処女よ
あなたは当然のことですが、真の太陽であるイエス・キリストによって照らされた夜明けと呼ばれることがお出来になります
私たちがあなたを夜明けと呼ぶのは、あなたが王族であり、豊かであり、優れたお方であるからでしょうか?
いいえ、そうではありません
あなたが夜明けと呼ばれて当然なのは、謙遜であり、信仰の光があり、そして純潔の唯一の誓いをされたからです
あなたは真の太陽を告げ知らせ、紹介する方であり、悪霊を追放する方、罪人の慰めです
神があなたの中で祝われた結婚式によって、あなたの娘である私はあなたの御子の愛と栄誉にとどまれるよう祈ります」
神の御母は答えます
「その結婚式とはどういう意味ですか? これを聴いている彼女(聖ビルジッタのこと?)のためにどうか教えてください!」
アグネスは言います
「あなたは真に母であり、処女であり、花よめです
最も美しい結婚式は、神の神性が失われることなく、神(御子)があなたの中で人間の本性に加わった時に、あなたの中で祝われました
処女と母性が一致し、処女の慎み深さは損なわれず、そしてあなたは創造主の母と娘の両方に同時になられました
この日、あなたは御父から永遠の生まれられ、御父と共にすべてのことを成し遂げられ、御子を時の中に出産されました
聖霊はあなたの内外を問わず、あなたが神の布告者(大天使ガブリエル)の言葉に同意した時、あなたを実り豊かな者とされました
この日あなたから生まれられた神の御子ご自身は、彼の布告者があなたのところに来る前からあなたの中に居られました
ですから、どうかあなたの娘を憐れんでください!
彼女(娘)は、鶏やガチョウなどの小さな生き物しかいない谷間に住む小さな娘のようなものだからです
彼女は山の上に住む領主(御子)をとても愛していたので、愛によって自分が持っているすべての物を山の領主に捧げました」
主はアグネスに答えます
「わたしは多くのもの、すべてのものを持っているので、あなたからの捧げものは必要ありません
けれどもあなたは更にもっと大きなものを受け取るために、少しでも何かを与えているでしょうか?」
アグネスは主に言います
「私は何も与えておりません
けれどもあなたは私を必要としてくださり、あなたが私のような小さく貧しい娘があなたの山であなたと共に暮らすことを許してくださいました
そしてあなたの使用人たちも私に敬意を示してくれます
ですから、私はほんの少しでもあなたに慰めを与えることができるでしょう
そして私は出来る限りのことをいたします
あなたは私があなたの恵みに(十分に)感謝していないことを知っておられます」
主は答えられます
「『あなたがそのような善意によってわたしを愛してくれているので、わたしはあなたをわたしのところに連れて行きましょう
山に登り、毎年、あなたに衣服と食べ物を与えましょう』
これがあなたの娘のいまの状態です
彼女(聖母)はあなたに、彼女が持っていた唯一のもの・・・つまり世界と彼女の子どもたちの愛を明け渡しました
ですからあなたが彼女に捧げるのは、あなたのためです」
答えとして、御母は御子の花よめにこう言われます
「娘よ、しっかりとお立ちなさい
私は息子に尋ねましょう
そして彼は毎年あなたに食べ物を与え、彼のしもべである何千人もの天使たちが、山の上にあなたを置くでしょう
たしかにアダムから生まれた人間から、世界の終わりに生まれる最後の人間までを数えると、1人の人間ごとに10人以上の天使がみつかるでしょう
実際、この世界は単なる調理鍋のようなものに過ぎません
鍋の下に燃えている火と灰はこの世界の友ですが、鍋の中にあるそれぞれの食べ物の小片は神の友です
テーブルの用意が整えられたら、美味しい料理が主に送られ、主はそれを楽しむことがおできになります
そして火は消えませんが、鍋自体は壊されるでしょう」
聖アグネス