戦場に現れた小さき聖テレーズ(2)(第一次世界大戦/アンリ・ラミエル軍曹からの報告の手紙(2)) | カトリックの神秘

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(第一次世界大戦中にリジューカルメル会に送られてきたアンリ・ラミエル軍曹からの手紙②/1916年6月25日)

 

前任者である軍曹が前の日に戦死し、私は非常に危険な救護所の軍医の下に、彼(戦死した軍曹)の代わりに任務に就くために赴きました。

疲れ切った一日の後の夕方、私たちは数人の兵士が最前線で取り残され、撤退するのが不可能になったということを知らされました。

夜になって、私は兵たちと一緒に示された(最前線の)場所に行くと、そこには重傷を負った数人の兵士がいました。

彼らに包帯を巻くとすぐに、私たちは彼らを後方に運びました。

任務が完了したので、私たちは銃弾と砲弾の雨の下を、元の救護所に戻るために歩き始めました。

その中で、私たちの担架の担ぎ手の兵の何人かが負傷しました。

道に迷い、私が(兵たちの)先頭に立ちました。

ドイツ兵が至る所にいました!(※ドイツは当時フランスの敵国)

私は十字架(像)を胸に押し宛て、死を覚悟しました

私の周りでは、死体が新たに(落ちてきた)砲弾を受けて粉々に飛び散りました

私はその時、テレーズ姉妹のご遺物を十字架に加えました(十字架といっしょに胸に宛てたという意味)

私はこう考えました

「彼女(テレーズ)に(救護所までの)道を示してくれるように頼んでみたらどうだろう?」

「しかし、そんなことをする価値はあるだろうか?」

それから(1915年の)9月27日に起きたことを思い出しました(※1つ前のブログ記事参照)

「彼女(テレーズ)は私を助けてくれるだろうか?」

そのとき、誰かが私の手を引っ張るのを感じました

私はそれが誰であるかを見ようとしました

しかし、そこには誰もいませんでした

十字架と(テレーズの)ご遺物を胸に押し付け、私はこう祈りました:

「テレーズ姉妹、どうか私たちを守ってください!」

それから危険な場所を横切って走って行くと、私たちは無事に元の救護所に着きました

その時、私は小さな姉妹(テレーズ)を見ました。

彼女は真っ赤なバラを抱いていました

それは夢(幻?)だったのでしょうか?

私にはわかりませんが、親愛なる聖人は確かにそこにいて、錯覚ではありませんでした。

彼女が私たちを導いてくださったのです。

そして数日間、新しく開花したバラの香りが救護所に漂っていました。」

 

 

アンリ・ラミエル軍曹の体験を元に描かれたご絵

 

 

 

 

 

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