..一週間後
下駄箱で私は見てしまった。
あの翔が
涙を流しているところを。
「かける..?」
「白河か」
何故か、胸がぎゅぅっと苦しくなる。
「どうしたの?」
「何でもねぇ」
「良くない!良くないよ..」
翔は大きなため息をついて、
重そうに口を開いた。
「..直樹が、退部したんだ」
バスケ大好きの、あの、直樹君が?
「なんで、直樹君が..?」
私が聞くと、翔は唇を強く噛み締めた。
「もっと良い部活だと思ってた、って..」
翔...
「お前からメール来たときには、もう、退部したいって
言われてたんだよ。で、今日退部。」
そうだったんだ、辛いよね
部員が減るなんて。
こんなとき、なんて声かけたら良いんだろう
無言で時は過ぎる。
「じゃあ俺、帰るから」
「あ、うん..。」
雨の中、傘を差さずに帰る翔の背中を、
見えなくなるまで見つめた。