--次の日
翔は、意外にも普段通りだった。
「ねぇ、莉奈..」
気まずそうに話し掛けたからなのか、
何の話か理解してくれた。
「翔は、直樹の事引き止められなかったって
後悔してるんだよ」
「やっぱり、そうだよね…」
「今はほっとくのが一番だよ」
「なぁなぁ。白河、渡部っ」
会話を遮ったのは、
バドミントン部員の橋本利久(はしもと りく)。
「今日ステージ借りるからよろしくな!」
橋本君はよく伝言係にされてる。
いつもは絡むのだけど
今日は正直、翔が気になった。
「おい、白河っ?怒ってんのか?」
「ち、違うよ!ちょっと考え事してただけだよ!」
「そっか、」
そう言って、
いつもの笑顔を残して去っていった。
「ねぇ。結愛」
「ん?」
「橋本君て、モテるけど付き合ったことないらしいよ」
「へ~ぇ。」
この時私は翔を見てた。気になって仕方なかった。
笑ってるけれど、無理してない訳がない。
話しかけようかな..でもな。
--やっぱり話しかけよう。
「..あの、翔?」
「何?」
「何って聞かれると..」
歯切れが悪い私に、翔も良い気はしないらしい。
「白河、何だよ?」
「や、やっぱ何でもないよ」
「あのさ。」
珍しく、翔が私を呼び止めた。
「昨日のことなら、お前は気にする必要ないから。」
「う、うん。」
気にするなって、そんな無茶な。
でも、私には、そっとしておくことしか出来なかった。
他には何も、出来なかった。