今回、ご質問を頂いたので、FTDX3000でDSCWをUSBケーブル1本で接続する方法を調べた。
 
FTDX3000
1対1のUSBケーブルで、CWキーイングをRigに送出し、Rigから受信信号を受ける。但し、USB通信機能が備わっていないRigは、従前通り「デジタル・インターフェース」が必要になる。
 
まず準備段階として、使用するパソコンに仮想COMポートドライバーをインストールする。インストールの手順が不安だったら、マニュアル、ガイドで確認しておきます。
最も重要な点は、ドライバーをインストール前にUSBケーブルをリグにつながないこと!
 
ヤエスのドライバー(FTDX3000、FT-991A、FT-991、FT-891)
ヤエス(インストールマニュアル)
 
アイコムのドライバー(IC-7100/IC-7200/IC-7300/IC-7410/IC-7600/IC-7850/IC-7851/IC-9100)
 

 
次にパソコンとRigをUSBケーブルでつないで、RigをONにしてパソコンがポートを認識するか?・・・をディバイス・マネージャーで調べる。
 
デバイス・マネージャーの場所が解らなかったら、以下の順で検索。
「コントロールパネル」⇒「ハードウェアとサウンド」⇒「デバイスとプリンター」⇒「デバイスマネージャー」
 
デバイスマネージャーの一覧から、「ポート(COMとLPT)」の左端「>」マークをクリックして、ポートを確認する。
 
ポート(COMとLPT)
 
これがヤエスの仮想COMポートで、「・・・Enhanced COM Port」と「・・・Standard COM Port」がRigとの接続を表します。アイコムも似たような表示になる。正常につながっていない場合は、このポートが表示されない。
 
末尾の(COM6)、(COM7)は、パソコンに使われているUSBによってCOM番号はそれぞれ異なる。ここで重要なことは、後の設定で使うので番号をメモっておく。
 
次に同じデバイスマネージャーの中から、「オーディオの入力および出力」の項目を選ぶ。
 
オーディオの入力及出力
 
ここで「スピーカー(?-USB Audio CODEC)」と「マイク(?-USB Audio CODEC)」が表示されていれば、Rigとパソコンのオーディオがつながっていることになった。
 
下表は、各種ハム用ソフトとCOM Port、USB Audio CODECの関係をまとめてある。
 
USB Chart
 
今回使うDigital Sound CWはパソコンで発生させたCWキーイングをCOM Standardに入れて、Rigの受信信号をUSB Audio CODECのマイクで拾う訳なので、他のポートは使わない。
 

 
ここまで準備ができたところで、パソコンJA3CLM局のにDigital Sound CWをインストールする。
 
アマチュア無線家向けモールス信号の送・受信フリーソフト
使い方は、「導入編」を参照
 
普通は「DSCW」バージョンで良いでしょう。当局はVer1から使っていますが、すでにVer13になっていました。
 
また、インストール後に「mfc120u.dllが見つからないため、このアプリを開始できません」と表示されたら、下記マイクロソフトの「Visual Studio 2013 の Visual C++ 再頒布可能パッケージ」から「vcredist_x86.exe 6.2MB」をダウンロードします。
 
DSCWのダウンロードが済んだら、インストールします。自動でインストールすると「Program File(x86)」⇒「JA3CLM」のフォルダーが作成されます。
 
DSCW 信号入力
 
早速、起動して、初期設定を行います。何はともあれ「信号入力」メニューを指定します。右、左のどちらでも良いでしょうが、「左」に指定します。
 
DSCW Sound Device
 
更にウィンドウの下側にある「Sound Device」を指定。ここでは現在つながっているデバイスが表示されるので、Rigがつながっていれば、デバイスマネージャーで確認した「マイク(?-USB Audio CODEC)」が出てくる。
 
DSC WCOM設定
 
次に重要な設定は、「初期設定」メニューの中から「COM設定」です。
デバイスマネージャーの「・・・Standard COM Port」にあったポート番号を選択する。
 
DSCW Key Control設定
 
また「Key Control設定」で、「RTS」または「DTR」のいずれかを指定する。これは、Rig側の設定に依存するので要注意。
 
FTDX-3000の場合、メニューモードで以下の指定が必要です。
 
065 MODE CW PC KEYING
OFF  PACKET端子 PTT(Pin3)でキーイング(工場設定値)
DTR  USB端子の仮想COM、DTRポートでのキーイング
RTS  USB端子の仮想COM、RTSポートでのキーイング
 
ここを「DTR」に設定すると、「USB端子の仮想COM、DTRポートでのキーイング」になり、「Key Control設定」が「DTR」で一致する。
 
DSCW 名前を付けて保存
 
ここまで済んだところで、「ファイル」メニューの「名前を付けて保存」で記録しておく。
次回からDSCWを立ち上げる時は、この設定ファイルを読み込む。
 
ハードウェアとサウンド
 
USBの入力レベルを調整する場合は「コントロールパネル」⇒「ハードウェアとサウンド」⇒「オーディオデバイスの管理」でデバイスを選んで調整が出来ます。
 
その他、具体的な使い方、便利なマクロのなどは、「Digital Sound CW」をご覧ください。
 
 

 
(2017-01-29追記)
 
USBによる音声調整で「オーディオデバイスの管理」を使う方法は、以下の通りです。
 
サウンド録音
 
サウンドウィンドウは現在使用可能なデバイスが表示されます。マイク入力は「録音タグを選択し、「マイク USB Audio CODECを選択。ここで右クリックして「プロパティ(P)」でプロパティ・ウィンドウを開く。
 
マイクのプロパティ
 
マイクのプロパティでは、「レベルタグを選び、「マイクのスライドバーで音量を調整します。結果を「適用」または「OKで決定します。
 
 
 
 
 
 
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