友人から頼まれて、はがきサイズ(154x107mm)でダイレクトにも対応するQSLカード印刷定義を考えてくれ・・・と言われて、電子ログ万能の時代に・・・とも思ったが、作ってみました。

片面が全くの白紙の場合、発送方法によって、枠や宛先、自局の住所などを記入できる点が便利です。

まず、完成形は下画像の通りで、DXのダイレクト(SASEではない)や、無論JARL経由にも対応するものが曲りなりに出来た。

イメージ 1 イメージ 6 イメージ 2
ダイレクトJA向け      ダイレクトDX向け         JARL経由
(注:DX向けにTo:とFrom:を入れて取りあえずゴマカシました。)

まず、ダイレクトで一番問題なのは、送り先の住所を記録する専用の項目がないので、今回は入力画面のRemarks1を全面的に使うことにした。

下記の入力画面のように、Remarks1の左端から郵便番号、住所を入れている。これ自体は、目新しい記録方法ではないが、ここで改行に<BR>を使っている。
当局の定義では、Remarks1の部分は最大で90バイト(全角45文字)まで読込むことにした。
宛先の氏名は、His Nameをそのまま使う。

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Remarks2Rig#の後に、自局の$P=M7$$Q=JCG 12・・・$の部分は自局移動の記録で、Remarksでデータ整理などに詳細を記載してあります。

DX局についても同様だが、郵便番号を特別に取り出していない点が異なる。やはり郵便屋さんが読みやすいように<BR>で改行している。

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そして最も大事なことは、QSLマークの1文字目を「D」にしておくことで、これ以外のマークでは、ダイレクトの印字は行われない。



郵便はがきの規格は色々あるようで、片面に宛先と文章(交信証)を併記する場合は文章スペースが50%を超えてはダメです。
また、「郵便はがき」または「POST CARD」と記載しなければ取り扱ってもらえないようです。
郵便番号枠は普通のはがきサイズに規定を順守して印字できるようにしてあります。

郵便番号を枠内に印字する方法は、Remarks1全体を左端1文字目から読込む、ごく一般的な方法です。4文字目にあたる「-」は、飛ばして5文字目から再度読んでいます。
国内向け宛先住所は、郵便番号の後10文字目から読み取っています。
今回は#PrintAの命令を使っているので、改行記号である<BR>を使って改行ができます。

Turbo HamlogのQSLカード印刷で行う、郵便番号処理の定義モジュールは以下の通りです。

; ダイレクトの宛先等処理------------------------------------------------------
#FontName =" MS Pゴシック" ; POST CARD用フォント指定
#FontSize = 10 ; 文字サイズ(普通)
#FontColor = 255 ; 文字色(赤)
#FontStyle = 0 ; 文字飾り(なし)
#Print 370, 0, "POST CARD" ; 「POST CARD」を印字
#LineS 1, 0, 255 ; 線指定 太さ0.1mm、実線、赤
#LineR 50, 45, 240, 260 ; 切手貼付の枠線を印字

; DX局の場合は郵便番号枠を印刷しない
? DXST ; DX局か?
#Goto *20 ; *20へジャンプ(ダイレクト宛先の印字)

; 郵便番号枠------------------------------------------------------------------
#LineS 3, 0, 255 ; 線指定 太さ0.3mm、実線、赤
#LineR 385, 62, 445, 142 ; 1桁目の枠線を印字
#LineR 455, 62, 515, 142 ; 2桁目の枠線を印字
#LineR 525, 62, 585, 142 ; 3桁目の枠線を印字
#LineX 585, 102, 19 ; 郵便番号枠のハイフンを印字
#LineS 1, 0, 255 ; 線指定 太さ0.1mm、実線、赤
#LineR 601, 62, 660, 142 ; 4桁目の枠線を印字
#LineR 669, 62, 729, 142 ; 5桁目の枠線を印字
#LineR 737, 62, 797, 142 ; 6桁目の枠線を印字
#LineR 805, 62, 865, 142 ; 7桁目の枠線を印字
#FontName="MS ゴシック" ; 郵便番号枠用フォント指定
#FontSize = 18 ; 文字サイズ(郵便番号枠サイズ適合)
#FontColor = 0 ; 文字色(黒)
#FontStyle = 0 ; 文字飾り(なし)
#Print 397, 70, "!R1,00,01" ; 郵便番号1文字目(Remarks1先頭から)
#Print 467, 70, "!R1,01,01" ; 郵便番号2文字目(Remarks1先頭から)
#Print 537, 70, "!R1,02,01" ; 郵便番号3文字目(Remarks1先頭から)
#Print 613, 70, "!R1,04,01" ; 郵便番号5文字目(Remarks1先頭から)
#Print 681, 70, "!R1,05,01" ; 郵便番号6文字目(Remarks1先頭から)
#Print 749, 70, "!R1,06,01" ; 郵便番号7文字目(Remarks1先頭から)
#Print 817, 70, "!R1,07,01" ; 郵便番号8文字目(Remarks1先頭から)

*20
; ダイレクト宛先の印字-----------------------------------------------------------
#FontName="MS Pゴシック" ; 宛先住所用フォント指定
#FontSize = 11 ; 文字サイズ(少し大きめ)
#FontColor = 0 ; 文字色(黒)
#FontStyle = 0 ; 文字飾り(なし)
? DXST! ; DX局でないか?
#PrintA 290,180,10,"!R1,09,90" ; 宛先住所(Remarks1-10文字目から)
? DXST ; DX局か?
#PrintA 290,180,10,"!R1,00,90" ; 宛先住所(Remarks1-10文字目から)

#FontName="MS Pゴシック" ; 宛先氏名用フォント指定
#FontSize = 16 ; 文字サイズ(特に大きめ)
#FontStyle = 1 ; 文字飾り(太字)
? DXST! ; DX局でないか?
#Print 320,350,"!NA 様" ; 宛先氏名(日本語)His Nameを参照
? DXST ; DX局か?
#Print 320,350,"!NA" ; 宛先氏名(英語)His Name を参照

定義全文のダウンロードは、下記URLからどうぞ。但し、変数の初期指定は、自分のデータに変更してください。・・・当たり前か!


今回は、シングルQSOで出力する定義です。ダイレクトの場合、宛先スペースで半分以上取られますので、マルチQSOは難しいでしょうね。

2015-08-07追記

DX向けダイレクトの宛先の書き方は、チョットまずいようなので、このまま参考にしないでください。はがきを縦に使うには無理があるようです。
もっとも海外向けに「SASE」でなく出す事は、あまり考えられませんが・・・。
宛先に「To:」と「From:」を加えたので、一応届くようです。