ここ数日来、日本語フォントの現状を確認するために、インターネットを閲覧して驚いた。特にフリー(無料)フォントの状況は惨たんたるもので、中にはダウンロードを絡めた怪しいサイトも多く見かける結果となった。詳細は「ダウンロード注意報」に書いたので、時間のある方はご覧ください。

具体的には、老舗メーカーの有料化が固定し、一方フリーフォントの多くは不完全な整備状況のモノが多いようです。

英語などアルファベット+α(100~200字)と比較して、日本語は表意文字だから教育漢字1006字、JIS第1水準2965字、第2水準3390字、第3水準1259字、第4水準2436字、これにひらがな、カタカナ、記号などを含めると膨大なフォントが必要な訳だ。

日本語のフォント作りは、膨大な手間と時間を要することから、欧文とは比較にならない費用が必要なのはうなずけます。日本活字工業モリサワモトヤ創和ダイナフォントなどの専業メーカーから、リコーなど事務機メーカー、アドビ、マイクロソフトなどソフトウェア会社が、有料あるいはバンドルのフォントを販売している。

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豊富な人材と多額の開発費用を要する日本語フォントは、個人レベルで開発することは不可能に近い。汗水流して開発してフリー(無料)にしても、せいぜいJIS第1水準が整備されていれば良い方なのだろう。

当初は、日本語フリーフォントのサイトを検索してたが、結局紹介するまでには至らなかった。幸いなことに当局は、10年以上前に購入したCD版ダイナフォント、今まで購入したソフトに附属していたフォントなどの蓄積があるため、ここではそうしたフォントを紹介します。

まずはスタンダードで、欧文と混在してもバランスの良いフォント。またゼロを半角「Ø」で表示できるのも、アマチュア向けだ。何と言っても、オマケで付いているのが嬉しい。

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MS Pゴシック (Windowsに標準装備)
ゴシック系プロポーショナル(字の幅、隙間を自動調整)の代表。
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MS ゴシック (Windowsに標準装備)
ゴシック系固定ピッチの字体で、文字を整列しやすいが、隙間のバランスが気になる。
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MS P明朝 (Windowsに標準装備)
明朝系プロポーショナルで、半角欧文とのバランスも極めて良い。
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MS 明朝 (Windowsに標準装備)
明朝系固定ピッチの字体で、文字を整列しやすいが、隙間のバランスが気になる。
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小塚ゴシック Pr6N (Adobe系の標準)
MSよりスマートに感じるゴシック系プロポーショナル・フォント。
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小塚明朝 Pr6N (Adobe系の標準)
MSより癖のある明朝系プロポーショナル・フォント。とても読みやすい。

つづいて、それぞれ特長のある書体で、個性が強い日本語フォント。毛筆、ペン字などがベースになっていると思われるが、当局コレクションのほんの一部です。
サンプル画像で、「お声掛け」を「お肥掛け」に誤変換になっていますが、気にしないで下さいね。

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DCGひげ文字
江戸文字の一種で、酒や看板、袢纏や手ぬぐいの染め抜きなどに使われる。
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DCG籠文字W12
江戸文字の一種で、主に千社札に使われるほか「ヒゲ文字」同様。
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DFGPOPコンW12
カリグラフィーペンで書いたような字体で商品説明などに使われる。
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DFGまるもじ体W9
一時はやったデザイナや女性が好んで使った字体。多少読みにくい字もあった。
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DFG極太明朝体
新聞の大見出しに使われる字体で、迫力があり、読みやすい。
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DFG極太楷書
筆文字の基本とも言える楷書で美しいが、英字は、他フォントの転用?
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DFG康印体
印章にに使われる字体だが、普通に読みやすく、一時ハマっていた。
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DFG相撲体W12
江戸文字の一種で、相撲の番付表やしこ名の表記に使われる。半角英字は転用。
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DFG太丸ゴシック
ソフトで使いやすい先端が丸くなったゴシック。半角英字も使いやすい。
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DFG龍門石碑
元々は石を彫刻する碑文に使われた字体で、
独特の雰囲気がある。
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DFG麗雅宋
大正ロマン、昭和レトロの代表的な字体で、
読みやすくバランスも良い。
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HGP教科書体
教科書に使われる書体で読みやすさが一番。
但し面白みに欠ける・・と思う。
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HGP行書体
毛筆の一種で、楷書より崩してあるが、読むのに支障はないのでは。
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HGP創英角ゴシック
ゴシックの中でも、特にバランスが良いので読みやすい。
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HGP創英角ポップ
商品名や広告チラシなどで使われる字体で、
当局は一時ハマっていた。

日本語のフォントが入手しづらい環境になっていることなので、困惑しつつ本日までのフォント談義は、一旦完結!