折角、出力100WのTS-520Dがあるのだが、キーイングが上手く出来ないためにCWではほとんど使っていない。

時折、たどたどしいストレートのキーイングでDX局を呼ぶが、パイルの中では相手にされない。

キージャックにストレートキーをつなげば、普通にキーイングが出来るのだが、エレキーや当局のデジタルインターフェースをつなぐと、何もしないのにON(キーダウン)の状態になってしまいます。

この事を、自作派のJA1KVFさんが聞きつけて、回路図をダウンロードして調べてくれました。そして数日前に詳しい説明頂きました。

どうもTS-520は、ドライバー段の12BY7Aのグリッドに、深いバイアスをかけて、そこをキーイングしているようです。
つまり負のバイアスですから、一般的なオープンコレクタのスイッチング回路では、逆になってしまい、キーイングどころではないようです。

TS-520は、当局にも解るようにJA1KVFさんが簡略化して書いていただきましたが、実際の回路は複数のバイアス制御が入組んでいてとても複雑です。

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他のモードではこのバイアスがアースに落ちていて、CWのモードの時だけグリッドにマイナスの深いバイアスがかかって、ドライバー段の増幅を止めているようです。

この時、キージャックにそのバイアス電圧がかかるので、これでは普通のオープンコレクタのスイッチング回路では使える訳がない。

当局は幸いなことに、デジタル・インターフェースは、アースまですべて他の回路とアイソレーションしてあるので、プラスとマイナスを逆につないでやれば良いはずだ。

ちなみにキージャックにかかっている電圧(対アース)を見ると、受信時は-62V、送信時にキーダウンしないと-45Vでした。無論、キーダウンすれば0Vになります。

エレキーのスイッチング回路(2SC1815)を直接つないで試したりしたが、絶対定格ぎりぎりだったようだ。これもTLP-627というフォトカプラは、絶縁耐圧5000V、エミッタ・コレクタ間の電圧(絶対定格)が300V以上なので、まさに打って付けでした。

・・・と云う訳で、TS-520用のキージャックの接続コードを作ってみた。使ってみると見事にキーイングしてくれました。デジタルインターフェースでPCからのキーイング出力もOK、デジタルインターフェースの先にエレキーをつなぐとこれまたOK。

まあエレキーなどを直接つなぐのにフォトカプラ1個でできますので、デジタル・インターフェースを作るまでもないかな?

ちなみにKVFさんのホームページはこちらです。無線だけでなく、絵画から調金細工、オーディオ、ルアーフィッシング、ピザ釜まで自作のこだわりです。


また、当ブログの「となりの芝生探訪記」でも、取り上げていますので、まだご覧になっていない方は、ご一読ください。


JA1KVF二神さん、本当にありがとうございました。