アマチュア無線を楽しむ人の中には、前に紹介した絵画や彫金を楽しむJA1KVF二神さんのように、無線以外のことに情熱を傾けている方も多くいます。
変わり種(失礼)の中でも、江戸時代から芝大門で6代続く老舗を営むJS1BTW青木さんがいます。青木さんは5代目で、息子さんが後を継いでいます。
先日430FMでQSO中に面白い話を伺い、当局がBTW青木さんに興味を魅かれた切っ掛けです。BTWさんが、モービル移動中に呼び出しを受けて、「慌てて、マイクを引っ張ったら、モービル機のパネルが一緒にスッ飛んできた!」という話でした。
セパレート型モービル機の操作部分が本体から外れて、飛んできたようです。当局には経験はないが、ありそうな話です。
軽妙な江戸っ子の口調で、しかも落語の様な語り口に、QSO中は笑いが止まりませんでした。
BTWさんはボランティアに熱心で、古来より有名な「だらだら祭り」など芝神明の祭祀を取り仕切ったり、芝消防団の分団長も務めておられます。
祭囃子のプレーヤーを務める一方で、地域活動の一環として地域活性化ロックバンド「るーず・びーと」のドラマーでもあります。東京マラソンをはじめとするマラソンコースの警備なども、消防団の役割だそうで、体が休まることがないのでは・・・と心配になります。
芝大門は、江戸町火消しの「め組」ですから、青木さんは当世の「め組の辰五郎さん」と云った感じでしょうか。
本日、JS1BTW青木さんからお誘いを受けて、東京タワー周辺で開かれている「港区民まつり」に行ってきました。
芝増上寺の境内や周辺の公園など広いエリアに、様々なボランティア団体、地元の医師会、行政機関などが工夫した展示や実演、模擬店で、多くの人で賑わっていました。
その一角に、芝消防団のブースがあって、普段は温和なBTWさんとは別人のように、制服姿も凛々しく、芝消防団の広報活動を行っていました。
普段、間近に消防団と接することはないので、当局はとても新鮮な感動でした。お忙しい中で、お相手を頂きまして、有難うございました。
Xさん共々お酒をこよなく愛する青木さんでも、制服を着ているときは、お酒はご法度だとか・・・。
肩から下がっている携帯無線機は、アマチュア用ではなく、消防署との連絡に使う無線機だそうで、ICOM製で使えるのは1波だけなんだそうです。
青木さんは、3級アマチュア無線技士の他に、消防団活動の為でしょうか、陸上と海上の特殊無線技士を取得しています。
また趣味のひとつであるモーターボートでは2級小型船舶操縦士のライセンスも持っています。東京湾岸にお住まいの方で、船舶免許を持っている人が結構多いですね。
ところで阪神淡路や東日本大震災で話題になったように、災害発生時や防災活動などでは、最前線での活躍を期待される消防団ですが、ご近所が疎遠になりがちな都心の消防団では、団員の確保が難しいのかも知れません。
それでも区民まつりの会場では、若い女性の隊員や男性隊員が、親子連れの見物人に、消防のコスプレ写真を勧めていました。
当局も、半ば無理矢理に消防服を着せられて、コスプレ写真を取られました。若い女性隊員が撮ってくれたせいか、写真で見るとまんざらでもない様子ですね。
JS1BTW青木さんは、平日昼間は芝大門の10階建て自社ビルの屋上にGPを上げて、仕事の合間に430MHzでQRVしています。
休日と平日の夜間は、大森のお住まいから良く声が聞こえます。時々、アルコール変調もありますので要注意。
我々が移動運用で使わせていただく山中湖の別荘(本人は「本宅」だと言っている)にも、無線室があってQRVすることもあると聞きました。
現代の辰五郎親分の「アネさん」にあたるXYLさんは、JH1BOY局で、ママさんバレーの選手だそうで、歯切れの良いミラクル・ボイスでQRVしています。
アマチュア無線に、旅行に、お酒に、人も羨む「おしどりハム」なんですね。
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