変更申請で工事設計書を記入するときは、個別の電波型式が必要になってくるが、普段使う訳でもないし、誠に難解である。前回の電波型式の組立方をもとに、具体的な用途と電波型式を組み合わせてみました。
当局のように、リターン組のハムにとっては、旧電波型式との比較を見ると、「なるほど!」と納得しきりである。こうしてみると、旧電波型式と新電波型式は大幅に変わっているので、理解に苦しむのも当然ですね。
旧 | 新 | 用途例 | 搬送波と変調 | 変調する信号 |
A1 | A1A | モールス符号電信 | 両側波帯(ASK) | 単一デジタル |
A2 | A2A | トーンを使ったモールス符号電信 | 両側波帯(AM) 副搬送波 | |
A2B | 自動受信でのモールス符号以外の電信 | |||
A2D | データ通信 | |||
A4 | A3C | AM ファクシミリ | 両側波帯(DSB) | 単一アナログ |
A3 | A3E | DSB 電話(抑圧搬送波DSB電話を含む) | ||
A5 | A3F | AM テレビジョン(映像のみ) | ||
A9 | A8W | AM 多重テレビジョン(音声を含むTV等) | 複数アナログ | |
A5C | C3F | AM テレビジョン(映像のみ)(ATV) | 残留側波帯(VSB) | 単一アナログ |
A9C | C8W | AM 多重テレビジョン(音声を含むTV等) | 複数アナログ | |
他 | D3C | ミニファックス(AM/PM/VSBの組合せ) | 振幅/角度変調 の組合せ | 単一アナログ |
他 | D7D | 多重データ通信(多値 QAM 等) | 複数デジタル | |
F1 | F1B | モールス符号以外の電信(RTTY 等) | 周波数(FSK) | 単一デジタル |
F1D | データ通信(FM パケット通信等) | |||
F3 | F1E | デジタル電話(GMSK 電話等) | 周波数変調(FSK) | |
F2 | F2A | トーンを使ったモールス符号電信 | 周波数変調(FM) 副搬送波 | |
F2B | 自動受信でのモールス符号以外の電信 | |||
F2D | 可聴帯のデータ通信(パケット DTFM等) | |||
F4 | F3C | FM ファクシミリ | 周波数変調(FM) | 単一アナログ |
F3 | F3E | FM 電話(FM トランシーバー) | ||
F5 | F3F | FM テレビジョン(映像のみ) | ||
F9 | F7D | FM 多重データ通信 | 周波数変調 | 複数デジタル |
他 | F7W | D-STAR のデジタル音声(DV)モード | ||
F9 | F8W | FM 多重テレビジョン(音声を含むTV等) | 複数アナログ | |
F1 | G1B | モールス符号以外の電信(PSK31等) | 位相変調(PSK) | 単一デジタル |
G1D | データ通信(PM パケット通信等) | 周波数(FSK) | ||
F3 | G1E | デジタル電話(多値 PSK 電話等) | 位相変調(PSK) | |
F9 | G7D | 多重データ通信 | 複数デジタル | |
A3H | H3E | SSB 電話 | 全搬送波(SSB) | 単一アナログ |
A3J | J3E | SSB 電話 | 抑圧搬送波(SSB) | |
A5J | J3F | 低速走査テレビジョン(SSTV) | ||
A3A | R3E | SSB 電話 | 低減搬送波(SSB) |
曲がりなりにも原形をとどめているのは、A1⇒A1A、A3⇒A3E、F3⇒F3E、・・・ぐらいですかね。旧表示形式の「他」は該当する型式がないもの。
この元のデータは、総務省の下記URLのページにある。回りくどい言葉遣いや同じ繰り返しが多くて、見ていると頭が痛くなってくる。上の表は当局が勝手に簡略化したものです。正確な情報やこの表が信用できない人は、総務省のPDFをダウンロードして見てください。
また当たり前だが、この表に間違いがあったからと言われても、当局は責任を持ちません。あしからず・・・。
そういえば、30年以上前に、普通のNTSC方式のカメラを使って、430MIz帯でA5とA9を申請したことがあった。両側波帯で、中心周波数を435MHzにしても、±4.5MHzの占有周波数帯域となり。430.5~439.5MHzまでを独り占めするという恐ろしい申請だったが、チャンと許可が下りました。下は1985年11月の免許状です。
実際にはアナログテレビ信号のエネルギーは大幅に分散するので、ローカル以外に迷惑をかけることは少なかったろう思う。また当時、430MHzに出る人も少なかったので許可されたのだろう。もちろんレピータもない時代の話です。
これから下は、グチ話ですから、見たくない人は飛ばしてください。
今は1200MHz以上でないと、ATV(アマチュア・テレビ)の申請できないようです。代わりに430MHz帯では、1日中コールサインも言わない業務無線紛いの局が、全バンドを支配している有様・・・。免許を持っているのか、いないのか・・・。明らかに免許を持ってなさそうな局も混じって居るので、無免許だけでなく、通信相手、目的外通信、コールを言わない、継続的に混信を与えるなどなど・・・。
当局のロケーションは、環八に隣接している上に、湾岸沿いの工業地帯で、こうしたモービル移動が大変に多く、430のリグにスイッチを入れていると、信じがたいだろうが、聞きたくなくても430~438の間のほぼ全チャンネルで、作業現場までの道案内や、現場への入場方法、積載の順番指示などが聞こえてきます。
JARLも電監(総合通信局)も見て見ぬ振り???
若いハム人口を増やそうとお題目を唱えるJARLだが、ニューカマーがこんな現状を聞いてどう思うか?
昔の27MHz帯違法CB局と、そのままの口調で「ドーゾ~ウィ」だとか、「・・ナーンテネ」とか、「マル~」だか「サンカク」だとか、我が物顔でやっている。やたら丁寧語を使ったり、開き直ってイキがった言葉を使ったり・・・。
江戸時代のおいらんが、お国訛りと身分素性を消すために廓(くるわ)言葉が生まれたと聞くが、まったく同じようなニオイを感じる。とにかく音節を必要以上に伸ばすのだ。
どんな話し方であれ、免許を持って電波法運用規則を範囲で通信を大きく逸脱しない限りは、とやかく言う筋合いでもないのだろうが、この口調を何と7MHz帯でも聞くことがある。
ガッカリ、いつものグチですみません。