以前にも「ビートを掛けて面白いの?」で触れたが、何の目的なのまったく解らないのだが、他人同士のQSOを妨害しています。
こうして取り上げるのもバカバカしいが、CWの場合、単にビートを掛けただけでは、多少耳障りでもQSOに与える影響は少ない。そこで、訳のわからないキーングをしたり、QSOの内容を真似して打ったり、初心者のキーング風に打ったり、執拗に妨害をしています。堪りかねてQSYすると、チャッカリついてくる粘着質です。
 
どう見ても、アンカバーのいたずらなどではなく、普段は普通にCWに出ている局のようにも思えます。そのことを40年間継続してCWを叩いているOMさんに伺うと、面白い話が聞けました。
 
DXを追いかけている局は、サービス局(「ご本尊」と言っていました)が「UP」と打って来れば、即座にQSYしてコールします。DXペディションなどでは、ご本尊の指示でQSYを繰り返すため、その都度唸りのようなコールが一斉に移動します。
たまたま国内QSOを楽しんでいる局がいたとしても、お構いなしにパイルの唸りがQSOを潰してしまいます。
同じハムには違いないが、DXを追いかける局から見れば「折角、珍局を狙っているのに、何時でもつながる国内QSOで邪魔するな」と考え、一方国内QSOを楽しんでる局は「自分たちがQSOしているところに、後から入ってきて邪魔をされた」と思うでしょう。
 
この逆もあるようです。当局のようにノイズが多い場所からQRVする場合、珍局などはしばらくワッチしても何も聞こえない。当局はCQを出す前にはDXクラスター、Jクラスターなどで付近の周波数を確認するようにしているせいか、今のところお叱りを受けることもなくやってきた。
しかし空いていると思ってCQでも出したら、運悪くご本尊の真上で「QRL?」を出してしまうこともあり得るかも知れない。これもDXに血眼になっている局から見れば、ご本尊に妨害を与えているようにしか取れないだろう。
 
何れにしても、たかが趣味のことで、自らの品性、品格を貶める愚かさに気が付いて、ほとんどの局は「ショーがねーな」とまで思っても、相手局に妨害を与えることまではしないでしょう。
 
しかし中には大人になりきれないハムがいると、ご本尊にビートを掛けたり、前述のようなキーイングしたり、妨害行為にでてしまうようです。一旦、妨害を始めるとブレーキが利かなくなるようで、徐々にエスカレートしていくようです。自分の考えたが正しいと思い込んでいるから、妨害する局はエスカレートする一方です。
 
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ではないが、DXを狙っている局は一蓮托生、国内QSOをしている局は同罪とばかりに、妨害を続ける局もいるようです。もちろんハムの中でも一部の一部でしょうが・・・。
 
OMさんの話にあった負の連鎖も、JARLや電波監理局(現在は「総合通信局」ですか)が、毅然と対応しなければ解決しないでしょう。人員不足を理由にしているようだが、右肩上がりの時代には、数は力とばかりに産官一丸となって、「生めよ、増やせよ」で大盤振る舞いをしてきたくせに、カネにならないと見てとるとさっさと手をひいてしまう。
 
こうした不毛な行為は、アマチュア無線をつまらない趣味にしてしまい、やがてアクティビティを低下させる結果となることは目に見えている。そのうち、妨害を与える相手もいなくなってしまうかもしれない。
夢を持ってライセンスを手にした若者や、再開を楽しんでいるOM諸氏がアマチュア無線から離れれば、更なる凋落は免れないでしょう。
 
また書きたくもないが、V/UHF帯では、トラッカーが業務無線代わりに占領しているのも、見て見ぬ振りですよね。
元々、免許制度を極端に甘くして講習会制度で大量にハム人口を増やし、認定制度や技適番号制でメーカーのリグを大量に押し売りした結果であることは明々白々。
 
少し話は針小棒大になってしまったが、せめてCWを愛するOMさんたちの遅いキーングに合わせる心配りのように、はじめたばかりの若者や、老後の楽しみと再開したばかりのハムの夢を奪わないでほしいと思いますよ。
 
みんな同じ趣味を持つ仲間なんですから・・・。