2012-09-13
再開局直前(2012年9月)
狭小敷地、隣接するビル、近隣の目、周囲の環境など限られた条件でアンテナを立てるのだから、「身の丈に合った計画」をテーマにして、立ち上げまでをドキュメントします。
 
元々、試験用に使っていたディスコーン・アンテナ(第一電波 D1300AM)を2階ベランダに設置した。
 
また再開局に向けて受信状態を知るために7MHzモービルホイップ(ダイヤモンド HF40CL)をテンポラリで設置した。
 
今回は、本格的な再開に向けて避けては通れないアンテナについて考えてみました。
 

 
まず、今まで折に触れて申し上げてきたが、アンテナを考える上での設置条件を整理してみた。
  • 敷地が狭いので、大規模なアンテナは設置できない。
  • 近隣が密集しているため、周囲に圧迫感や恐怖感を与えないような規模と形状を守る。
  • 隣接する3方向が3階建てビル(約11m)から頭を出さなければ、アンテナの機能を果たせない。
  • この地域は準工業地帯でノイズ源が多いために、ノイズに強いアンテナを目指す。
  • 設置場所は入口から2階ベランダまでのスペースと隣家との隙間しかない。
  • 友人を含めて高齢者の仲間入りをしているので、体力的にできる作業と限度を考える。
八木、キュビカル・クワッドなどビーム系は論外だが、短縮型(ローディング)のアンテナは、LC要素でバランスをとっているためクリチカルで、バンドワイズも限定され、設置環境の影響を受けやすい場所では調整に手間がかかるようです。
 
同じ区内からQRVしている友人も、高台に3階建てのご自宅を新築してローディング型バーチカルアンテナを建てて(XYLへの配慮か?)いるが、エレメント長の調整やカウンターポイズなどで、さんざん苦労しています。
 
アンテナとアースの関係は表裏一体だが、理想大地(接地抵抗0Ω)には遠く及ばない現実大地(?)の上にアンテナを設置する訳だから、共振周波数、インピーダンス、指向性、打上角など、理想とはかけ離れることは当然ともいえます。
 

 
そこで、アンテナの選択条件を整理した。
  • 設定、調整にクリチカルなローディング(短縮)系は避けて、フルサイズ系で考えたい。
  • 当初から目標の7MHzモノバンドを基本とするが、可能であればマルチバンド対応にしたい。
  • 友人からのアドバイスもあり、接地型より、ノイズを誘導しにくい非接地型を選ぶ。
  • 昔から垂直偏波より、水平偏波の方が外来ノイズの影響を受けにくいと言われているが、ハム仲間の多くが勧める水平偏波を選択する。
  • 周囲の住人に威圧感を感じさせないエレメント長で、危険に感じるトップヘビーな構造は出来るだけ避ける。

 
以上の条件から、ほとんどベントのダイポール(目一杯使っても両側4m近くベント)、逆V、ツェップ、ロングワイヤ、最近ブームのマグネチック・スモール・ループなどのアンテナ形状が候補に上がってくる。
 
その他に、垂直系からフルサイズ・バ-チカル、GPなども検討してみた。
 
最近では定番になったオートマチック・アンテナチューナ(ATU)を使うか、否かも考えた。
 
友人が調べてくれたCQ誌の記事によると、ATUは万能のように言われているが、Qを下げてマッチングを取っていることが書かれていた。
 

 
インピーダンス、SWRなどで満足できる数値が出たとしても、回路のQが下がれば、結果として能率は下がることになる。一方で、ATUは面倒がない。アマチュアが「あれこれトライしても、所詮は敵(かな)わない」と言う考えたも、間違いではないだろう。
 
究極のアンテナ調整は、ネットワーク・アナライザが必要だということかな?
 
 
 
 
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