小さな戦士達の物語

小さな戦士達の物語

11~12才の子供達が野球を通じて成長して行く姿を、西陶器ジュニアファイターズ監督の目を通して徒然なるままに描いていきます。小さな戦士達の奮闘振りを応援して下さい。

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4月は試練の戦いが続く。以前から指摘していたXdayは案外早く訪れ、1日(日)のNS戦(準々決勝)が不揃いなリンゴ達の今後の浮沈をかけた戦いとなったが、何とかクリアして大阪府春季大会へと駒を進めることができた。翌週の7日(土)はスポーツ少年団の堺、泉北地区の代表を決める戦いが始まり、初戦でいきなり試練の試合が訪れた。


何故?試練なのかと言えば、昨年暮れに行ったBリーグで大敗を喫したチームが初戦の対戦相手ということもあるが、夜間練習に参加している仲間を打ち崩さないと3回戦に進めないという、初戦から厳しい戦いが待っていたからである。




前週、宿敵を倒した小さな戦士達は、今週その勢いを持って試練の試合を迎えていた、筈である。でも、友好チームとの試合は決戦というムードにはなりにくい。お互い試合前はほどほどに挨拶を交わし、勝負に徹っしようと変なピリピリ感が漂っていた。




ジャンケンはまた負け。先攻で試合が始まった。新金東Vさんのエース・ゆうたは初回から全開のナイスピッチングを繰り広げる。2回朋弥に与えた死球が唯一の出塁で6回表が終わる迄誰ひとり出塁できない、つまりノーヒットノーランを演じている。




一方、先発舜平は初回のみ3者凡退に打ち取ったが、コントロールが悪く拙攻に助けられている感じ。4回裏連打され先制されるとここが代え時と文亮にスイッチし守り抜く。5、6回を3人で打ち取り守りからリズムを作って行く。しかし最終回までノーヒットが続く。



あっという間に7回表の攻撃に入って行く。先頭打者は光。1球目を積極的に打って行くがピッチャーゴロで早くも1アウト。やばいなぁと匠を送り出す。今日は慶太郎と匠を入れ替え、匠をチャンスメーカーに、慶太郎をポイントゲッターにと願いを込めている。




匠は2球目を引っ張り、弱いゴロがサード前に転がる。いつもなら鋭い当たりに「よし」と身を乗り出すが、今回はこれまで寄ってたかって全員がノーヒット。打ち取られているが匠の足なら「いける」と立ち上がる。全力で走って頭から1塁ベースに飛びつく。砂煙が立つ。コールは「セーフ」。




この全力プレーにベンチは活気づく。試合に勝ちたいからみんな乗り出す。誰もノーヒットノーランを阻止したからと喜んでいない。この回しか攻撃チャンスはない。一気に同点、逆転を狙う。1死1塁で4番慶太郎。2人とも長打力があるし、足が速い。1球目は様子見にして2球目に勝負を掛ける。




ストライクなら慶太郎は打つ。ボールなら見逃す。匠はエンドランで走る。1死2塁で同点機を向かえるか、1死2、3塁で逆転機を生みだす。筈であったが、何と死球。これで1死1、2塁とし舜平に回す。舜平は案外、緊張を顔に出さないで笑顔でこちらを見ながら打席に入る。ここは押せ押せだ。




1球目から行けと舜平に託す。やや外のストライク球を振り抜くと三遊間に打球が飛んで行く。内野の間を抜けレフトが打球を処理する。しかし前につめていたので還れない。1死満塁とチャンスは拡がった。チャンスは拡がったが、まだ1点も入っていない。0:1のままだ。ノーヒットではなくなったが追い付いていない。




この試合、最大のチャンスに朋弥に打席が回って来た。ここはセットプレーあるのみ。サッカーではフリーキックやコーナーキックでよく使われるフレーズだが、JFではキッカーが打者でアシスト役。ゴール目指して走り込む選手が主役。今回は朋弥が助演で主演は匠と慶太郎。




朋弥は匠がスタートを切るのと同時に転がし、自分は1塁へ走る。朋弥の背中の方でバックホームを諦めたゆうた君の姿は見えていなかっただろうが同点を確信してようだ。1塁ベースを蹴る寸前でゆうた君の送球が朋弥に当たる。当然朋弥はセーフとなりチャンスが続く。




その間、2塁走者の慶太郎が3塁を蹴ってホームを狙う。この1塁送球が明暗を分けた。慶太郎が逆転のランナーとなって還って来た。1回から6回が終わって、つけ入る隙がなかったゆうた君からついに最終回追いつき追い越した。1死1、2塁でアシスト役に徹して来た泰成と幸輝に打席が回って来たが、最後の力を振り絞って投げ込むゆうた君に両者ともピッチャーゴロに打ち取られて2:1で最終回裏に入って行った。




6番君から始まる最後の攻撃はセンター前ヒットを許すが、文亮は後続を1人づつ打ち取りドラマは終わった。好投手からそう簡単に打てないが、誰かがチャンスメークすればセットプレーで点が取れる。先発投手が踏ん張れなくても、誰かが引き継ぎ守り抜けば最少失点で切り抜けられる。




ヒーローは1人じゃない。全力疾走でチャンスを作った匠と、繋いだ慶太郎と、チャンスを拡げた舜平と、そのチャンスに練習通りの打撃が出来た朋弥。誰でもが朋弥のようにタイムリーヒットでなくともチャンスを活かすプレーが出来る小さな戦士達全員がヒーローなのだ。




舜平はこの日、自分のピッチングが出来なかったが、翌日のリリーフではいとも簡単に自分をコントロールして投げ込む球をもコントロールしていた。走攻守、表のヒーローがいれば必ず影のヒーローがいる。監督が影のヒーローが大好きなことを知っている小さな戦士達は絆を肌で感じ始めているのかも知れない。(匠の故障を埋めてくれるのは光だよな~みんな!)


















34期生達へ 卒団おめでとう





小さな戦士達のユニホームを着ることは

もう二度とないでしょう



このユニホームを着て戦った数々の試合や

先輩達、そして後輩達と一緒にした練習は

これからの野球人生の財産に

なってくれることを望んでいます




もう直ぐ中学生

また、あと3年もすれば高校生

そして、あと何年か経てば大学生か社会人

少しでも長く野球が大好きでいて下さい


少しでも長く野球を続けて下さい

おまえ達が自分の子が出来た時

誇りに思えるお父さんでいて下さい



こんな監督のもとで野球に出会い

自分が頑張って来たことを

次の世代に受け継いで行って下さい




さよなら!これからも頑張れよ!




         西陶器ジュニアファイターズ

                  監督 甲斐 小さな戦士達の物語


2月第2週、第3週があっという間に過ぎ、とうとう卒団式が行われる第4週がやって来た。先週18日(土)は御池Gで常盤スワローズさん、三原台野球部さんとの合同練習で、下級生に混じって楽しそうに身体を動かしたり、雪が降ってグランドが真っ白になれば庭駆けまわり状態で、笑顔が絶えることはなかった。(その夜、37期生達のミニリーグ打ち上げ会があったが、3年前の彼らのちびっ子時代がつい昨日のように感じられました)

小さな戦士達の物語


19日(日)は庭代Gで終日練習。午前中は後輩達の面倒を見ながら、時にはお手本を見せたり、自分自身の基礎練習をしたり、暖かい陽射しの中で野球が出来る楽しさを満喫しているようだった。監督と言えば、彼らとは最後の日曜日練習になるんだなと、庭代Gの6年生達の姿を瞼に焼き付けようと、これから強化しなきゃならない5年生達を横目に、いつの間にかスヤスヤ!?すると、「監督、一緒に昼ご飯食べましょう」と起こされた。



前日も御池Gの横で輪になって昼ご飯を食べたっけ。何を話すということもないのだが、ただただ冗談を言いながら一緒に飯を喰う、そんなひと時なのだがもう二度とそんな光景は、時間は、訪れることはないのだろう。1塁側のベンチを囲んでの11人の小さな戦士達との昼食会は、春を思わす暖かい陽射しと共に忘れることはないだろう。



来週は記念の交流戦と卒団式か。予備軍達との戦力差を確かめるチャンスは今日の午後しかない。お弁当を食べながら、彼らとの他愛もない会話をしながら「よし」と思っている目の前で予備軍達のランチ特打が続いている。慶太郎がフェンス直撃している。1本だけフェンスオーバーを放った。6年生達が「越せ、越せ」と焚きつけている。



食べ終わると突然、頑張れTシャツの上からユニホームを着始めた。今迄溜めこんでいたトロフィやカップ、盾、レピリカの争奪戦が始まり、予備軍達とのガチンコ戦が終わった後に撮影会が始まった。34期生達からチームへの贈答品のお披露目の団幕と一緒に記念撮影。

小さな戦士達の物語


後輩達はこの団幕を背に公式戦を戦うことになるのだが、送り主達からとうとう1点も取れずに、自滅で4点も献上してしまった授かり主達の惨状だけが浮き彫りになってしまった。まぁ、もっとも、2回裏の4失点だけで、後のイニングは0封する力はついて来たが、身体の故障の心配より心の故障のケアに指揮官は動いた。6年生達やコーチ、スタッフの目の前で・・・。



6年生達がいる間にJFスタンダードという襷(たすき)を繋げて欲しい。もちろん、5年生達は自分達で襷(たすき)を身に纏う覚悟は出来ているだろうが、目の前で戦った6年生達が来ているユニホームの背番号の重さが繋ぐべき襷(たすき)であることを自覚出来ていないのだ。6年生達よ、自分が身につけていた背番号への愛着を教えてあげてくれ!