おもしろい本だった。
全5章で構成されている内容だが、私は「第一章 昴が教えてくれたこと」、「第二章 日本の不思議すぎる話」そして「第五章 音の不思議すぎる話」に興味をもった。
まず昴について、この歌は谷村新司さんの代表曲であり、私も大好きな歌のひとつである。 昴とは100個以上の星が集まった「散開星団」の名前だそうだ。 私自身のこの歌の解釈は、大きな組織から離れて自分の行く道を歩いていくというものであった。 確かにそういった意味もあるのだが、もっと深い意義をもった歌なのである。 「さらば、昴よ」の部分をこの本から引用すると、次の意味がこめられている。
もしも昴が「財の星」だとしたら、現代風に言うならそれはまさしく物質文明のシンボル。 その昴にさらばと告げるのは、物質文明にサヨナラを告げようという意味に他ならないのです。 際限のない追求に明け暮れているうちに、やがて物欲に支配されるようになり、目に見えるお金やモノのみに執着するようになります。 そんな時代にきっぱりサヨナラを告げよう、今後は目に見えないモノを見て、お金やモノといった物質に囚われることなく、精神的な豊かさを追い求める新しい時代を作っていこう!
昴の冒頭の、目を閉じて何も見えずは、目を閉じてから見えてくる景色とは「故郷の風景」だったり「両親や兄弟の顔」であり、それががその人の原風景ということも深い感銘を受けた。
次に興味を持った、日本の不思議すぎる話。 日本の文化は中国文化の影響を受けたと思っていたが、もっと広い世界から影響を受け独特な文化を受けたのが日本である。 おもしろかったのは、イスラエルの文化との共通点である。 清めの塩と正月の餅の起源はイスラエルにあるということだ。 また、伊勢神宮に刻まれている籠目紋はイスラエルの六芒星と同じ形状であることは単なる偶然だけでは説明できない。
また日本語はヘプライ語という古代イスラエルと発音と意味がよく似た言葉がなんと5000語以上もある。 これも偶然の一致ではなく、やはり何らかのつながりがあったということであろう。
日本列島は世界5大陸の縮図であるという説もおもしろかった。 北海道はアメリカ大陸、本州はユーラシア大陸とヨーロッパ大陸、四国はオーストリア大陸そして九州はアフリカ大陸、なるほど確かに当てはまる。
三つ目に興味を抱いた音の不思議。 私は今の仕事に音との関わりを持っている。 では、音とは何か。
胎児は30週から耳の機能が働き、外の音が聞こえるようになり、五感のうち最初に備わるのが聴覚。 つまり人は死ぬまで音と付き合っていくこととなるわけです。 ヒトは生まれると視覚が発達し、情報の8割は見るものから入いるが、胎児ではそのすべてを聴覚から得るわけで、やはり胎教は有効だそうです。 女は音名、男は音子とう言葉も何か意味があるのでは。
谷村新司さんは、たまには生の音楽に触れることをすすめています。 今はデジタル機器の時代、コンパクトで音質のいいものが安価で得られます。 しかし、その音はデジタルで信号化したもの。 デジタルとは原音を0と1の信号化を行い更に圧縮します。 私はたまにアナログのレコードを聴きますが、実に心地いいのです。 それを生の音楽に触れるのは更に心地よくなります。 デジタルはそういう気持ちになれないのは私だけでしょうか。