こないだ、久大本線の筑後吉井駅に行ったのである。久大線は、福岡県久留米市のJR久留米駅と、大分市のJR大分駅を結ぶ地方線です。JR久留米駅を発車すると、比較的人口の多い久留米市内を走るのだが、2両編成で1時間に1~2本程度しかありません。沿線には民家や大型ショッピングセンターも多いのですが、多くの人は車使用なのでしょう。大学や高校があるので、学生はぼちぼち乗っていました。
筑後吉井からは、ちょうど臨時列車が運行されていたので、それに乗ることができました。年期の入った、Y-DC125というキハ125形気動車です。臨時列車ということと、単線なので途中行き違え停車待ちがあり、筑後吉井⇒久留米間8駅を48分もかけて、のんびりと走ります。JR久留米駅に到着しました。通常ダイヤだと、40分くらいです。
キハ125の写真は、終点のJR久留米駅で撮影したものです。行先版が「西唐津」となっているのは、くるくる回って変更途中だったものと思われます。
降りたホームの行先案内板を見ると、数分後に「SL人吉」と書いているではないか。え、SLが来るの?案内板にあるので、なにかしらの列車が来るのは間違いないです。SL人吉という名の、ディーゼル機関車かな?(そんなのないだろう)
せっかくの機会なので、待ってみることにしました。一つ向こうのホームには、撮り鉄みたいな人たちが数人います。
きたきた~。さすがJRだな、時間通りです。遠目には、ディーゼル機関車です。
向かいホームの鉄ちゃんたちが、バシバシ写真を撮り始めます。その一人が「黄色の線の内側に入れ~」と大声を出しました。どうやら、鉄ちゃんの一人が勢い余って、黄色線の外側に出て写真を撮っていたようです。言われた人は、そのままいう通りに下がりました。写真を撮るのも大変だな…
こっちは撮り鉄ではないのですが、たまたま遭遇したので撮影してみました。これは、DE101209という、DE10形のディーゼル機関車です。以前は、赤く塗られた車体でしたが、再塗装され見違えるほど綺麗になっています。
SLはどうした?
最後部に、反対向きにSL人吉が連結されていました。客車は3両です。
こんなところで、SLが見られるとは思いませんでした。8620形の58654号機関車です。(通称ハチロク)
SLといえば、最前部で煙モクモク吐いて力強く多くの客車をけん引するイメージですが、最後部に反対側に連結され、少しだけ煙モクモクは意外でした。少し待っただけで、いいものを見ました。
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2025年7月7日追記
SL人吉として活躍していた58654号機は、2024年3月をもって営業運転を終了しました。この58654に関しては、かなりのメンテナンスが必要とされTVでもその苦労が放映されていたが、部品の調達や整備士の確保の難しさから、これ以上現役で運行するのは難しいという判断だったようです。
失われた過去の技術は蘇らないので、惜しい限りではありますが致し方がないことだと思います。この記事を書いた時点で見たSL人吉は、牽引どころか最後尾に連結されただけに見えたので、もしかしたら走ることもままならなかったのかもしれません。
引退後はJR人吉駅(災害により運用休止中)前に、屋根付きで保存されています。ヘッドマークは取り外されており、人吉鉄道ミュージアムMOZOCAステーション868内に保管展示されています。