FT-736の内蔵電源を修理して調子が良くなった。1200MHzユニットは故障していると思っていたが、ある日再度チェックしてみたら、送受信が直っていた。内蔵電源の不調に引っ張られて、動作不良になっていたのかもしれない。今や貴重な、1200MHzのオールモードトランシーバーです。
50MHzユニットも増設しており、10Wの定格出力はあったはずなのだが、こないだパワー計で測ってみたら、7~8W程度にパワーダウンしていた。それも、周波数によって差があり、53MHzあたりでは10W近く出ているのである。
50MHzの増設ユニットを開けてみます。終段は、パワーモジュール(M57735)を使っており、ドライバーは、2SC2538です。このドライバー段出力同調回路のトリマー(40pF)の金属部分が経年劣化により発錆しています。
劣化しているのは、TC01です。
調整用ドライバーで触ってみると、出力が変動するので、同調周波数が変動しているようです。通販で、汎用の40pFトリマーを購入し交換します。だいぶ良くなりましたが、まだ時間がたつと出力が若干低下する(1~2Wの低下)時があり不安定です。
パワーモジュールを搭載している基盤には、電解コンデンサー(ケミコン)が3個使われています。かなり発熱するモジュールの直近にあり、劣化が疑われるので予防保全も含めて交換します。パワーモジュールユニットを取り外すのは、結構大変です。M型コネクタへ繋がっている線のはんだを、慎重に取り除きます。
ここのケミコンは、16V,10uFが3個あるので、すべて新品に交換します。
簡易テスターで、取り外したケミコンを測ってみます。
①9.87uF
②9.95uF
③9.80uF
数字だけ見ると、容量に大きな劣化は認められませんが、若干の容量低下はあります。
パワーモジュールに、放熱用シリコングリスを添付して組み直します。ダミーロードを接続して、FMで送信すると、14Wほど出ていますが、周波数によって差があります。少し出すぎということと、周波数によってパワーが一定ではないということで、交換したトリマーを含め各部調整すると、ほぼバンド内において10W程度のパワーに落ち着きました。
これで、50~1200MHzまで、完全に動作するようになりました。メーカーから、古い機種ということで修理を断られたときは製品寿命も尽きたかと思いましたが、復活したので末永く活用したいと思います。