リクエストいただきながら、遅くなりました。

どこから書いたらよいかな…と思いつつ。

組み合わせた留めもあったり通称もあったりしていますので、

万一間違っていたらごめんなさい。

またすでにご存じの方も多いと思いますが、書かせて頂きますね。


【爪留め Prong Setting】

石留めの基本中の基本です。

爪と呼ばれる小さな棒状の地金を、石留めやっとこで倒して宝石を留める。

石の大きさに合わせて石座(わっかになった部分)を作り、
側面に4本の棒状の地金を蝋付けしています。
ここに宝石をおいて、石留めやっとこ倒して留めるのです。
以前クラフト講座の時は、石座はパイプ状に作りました。



6本の立爪タイプ、エンゲージメントリングですね。
石座はキューレット近くにあるのかも。

プリンセスカットを留める前ですね。

石留めは基本的に最後の作業なので、石で隠れる部分も綺麗に磨かれています。

プリンセスカットという角のある石を留めるので、
爪の内側を見ると、ちょっと溝があるのが見えますね。

スクエアカット、マーキース、ペアシェイプやハートのとんがった部分は
こういう風に溝を入れている場合もあります。

爪留めとひとことでいっても、爪の形もいろいろあります。

上のような角のある爪の場合には、ふくろ爪というものも使われます。

上の爪がふくろ爪です。(おがみ爪ともいわれるようです)

この他、

立爪(たてづめ)、空枠画像の下のリング画像がそうですね。
代表的なティファニー爪です。
(ティファニーが発表したものです)

鬼爪(おにづめ)=石からぐっと地金を肩のように張り出した大きな爪。

立爪で鬼爪?昔々エンゲージメントリングといえばこれでした。
(この後にティファニーが爪を小さくしてティファニー爪を発表しました)

これは鬼爪ですね。

わし爪=元々は鷲の頭からくちばしにかけての形状が似ていることからついた名前。
大粒の宝石に使われたようですが、最近は鷲の爪をイメージしたものを呼ぶこともあるようです。

けん爪


これは割爪かな…

こちらは平爪ですね。




爪の先端を丸くしたり、△にしたり、V字にしたりいろいろあります。

それぞれ名前があります。

ダイヤモンドの一粒タイプだと、こちらのサイトがわかりやすいです。
英語表記なので海外で言われている形かと思います。

このページは図解なのでよりわかりやすい。


この他にも、複数石を爪で留める場合。

1つの爪で2つ以上の宝石を留める爪を共有爪と言います。

隣同士の石が同じ爪で留めてある。

パヴェ(石畳)も1本で3石にかかっていたりします。

ハート4つの石の真ん中に大きめの爪(傘爪とも呼ぶ)で留めたり。


板爪、爪が板状になっています。

これは2点留めで挟んで留めているので…

爪と留めがごっちゃになってきちゃいますね。

挟むタイプは改めて。



爪留めは基本ながら、石の硬度・形によっても注意が必要になります。

石の上から押さえるので比較的どんな石でも大丈夫ですが、

共有爪になると両隣の石の硬度も重要です。

アウイナイトなどの硬度の低い石には、金よりもプラチナの方がオススメです。

地金の性質から、石留め時や使っている時のあたりの硬さが違うようです。


ということで、爪留めはここまで。