最近、ジェムショッピングTVで

「タンゾウ」と「チュウゾウ」という言葉を聞かれていることでしょう。

字をみるとわかりやすい。

「タンゾウ=鍛造」・「チュウゾウ=鋳造」


鍛造はその字の通り、「鍛える造る」と考えるとわかりやすいですね。

金属を鍛えて、のばし曲げてリングなど作っていきます。

十数年前、JBSさんがまだ大阪にあるときに夜彫金コース通いました。
(宝飾クラフトコースの修了証がありました懐かしい)

平打ちリングか甲丸リングが最初の課題だったと思います。

伝統的な鍛造製法は、
 金属の塊を叩いたり、伸ばしたりして棒状にしたものを
 サイズ棒にあてながら曲げてリングに仕立てていく。
 熱して柔らかくした金属を叩くことから金属が鍛えられ
 引き締めながら成形されていきます。

プレスや削りだしの鍛造製法は、

 金属をプレス機にかけて高圧で圧縮し塊にしたものを
 機械で丸く打ち抜いたり、切削機で削りだしたりして作られるそうです。

鍛造製法のリングのいいところは、
 金属が密になり強度のあるリングになるので
変形もしづらい。
 密度が濃いので重量感もしっかりあり、磨いたときも煌めきが強くなる。
 わかりやすいのは、高級な鍋などもそういった造りがありますね。
 鍋の場合も均一な熱伝導や保温性も高くなります。

造りとしては手間がかかることと、職人さん技術の高さが必要ですし、
複雑なデザインはこの方法では無理ですので、シンプルな形に限定されます。
なので、シンプルリング、
いわばマリッジリングやエンゲージリングなどだとぴったりです



鋳造とは?
 ワックスと呼ばれる樹脂を削り、完成そのままの形を作ります。
 その原型をとかして空間の中に熱した金やプラチナの地金を流し込んで
 固めることで造る製法です。

鋳造製法のいいところは、 
 原型が樹脂で造るので複雑で繊細なデザインを造ることができます。
 金属そのものを加工するより作業もしやすいです。
 大量生産ができますし、職人さんの負担も少ないので、
 現在のほとんどのジュエリーは鋳造製法で造られているといえるでしょう。
 デザインの自由度が高いのがなんといっても魅力ですね。
 1つのジュエリーができあがる時間も工程も早くなります。

もちろん強度は、金属密度の高い鍛造製法の方が強くなりますが、
技術は進化をしていますから、今の主流は鋳造方法になります。

私が習った彫金コースでも、次の段階がワックスでいくつかリングを造りました。

さまざまな彫刻刀で削り形作っていくのですが、

すっごく楽しかったです。

うれしくて全部友人にあげちゃいました。
(一つ18Kで造ったのに…)


鍛造製法、昔はそれしかなかったわけですから、

いわば、グラン・サンクや世界五大ジュエラーが生み出す、

数千万円の1点ものは鍛造製法かもしれません。

先日伺ったブシュロンのプロモーションネックレス、

300gほどの金が使われているそうですが、

元々は3kgか4kgの金の塊から生み出したといわれていました。