2005年、江戸川乱歩賞受賞作品です。
テーマは少年犯罪。
未成年加害者への擁護、被害者に対しての情報開示制限。

まぁ、考えさせられらる作品は多く読んできましたが、少年法の問題点を真摯に投げかけた上で、一転二転する展開と、思いも寄らない最後の謎解き。見事でした。

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フランチャイズのコーヒーショップを経営する。主人公、桧山。
4歳の愛実との父子家庭。

妻、祥子は当時13歳の少年達に生後5ヶ月の愛実の面前で刺殺されたのだった。

少年達は少年法により罪に問われることもなく、施設に入り、その後新しい生活を送る。

桧山は、実名すら明かさない法律と、妻はなぜ死ななければならなかったのかと、真相すら解らず苦悶の日々を送る。

マスコミに対して、つい『自分の手で殺してやりたい』と答えてしまうのであった。

しかし、4年経ち、落ち着きつつある生活の中。
桧山の店の付近で、あの事件の1人、少年Bが刺殺体で見つかる事から物語は始まる。

登場人物達の過去、少年法による被害者と加害者の個々の立場、また愛憎が絡み合い連鎖し、サプライズなクライマックスに持っていく力作です。

"少年ならず人間の心に可塑性はあるのか?"を問います。

一読頂きたい一冊です。