長く…
意思薄弱な愛する人の
弱っていく姿を
見たくなかった。
彼もまた
私を追い返した。
見られたくない気持ちの時もあっただろう。
彼は
幼かった私を
いつも恋人のように
連れ添わせた。
大きな手の平で
私を抱え上げた。
その手の平を
幼い私は自分の手の平と重ねて喜んでいた。
彼の膝の上が1番の特等席で
彼が焼いてくれるトーストが
何より美味しかった。
地元の大きな花火大会も
今までで彼と彼女と1度だけ。
他の人とは行かない。
彼との大切な思い出のイベント。
帰り道の大混雑に
ひたすらわがままを言ってしまった後悔を
忘れることはない。
いつも大きく見上げていた彼も
私の成長とともに語る機会は減る一方で
たまの食事会を楽しみに過ごしていた。
彼は私の結婚式に参加してくれて
すごく喜んでくれた
初〓内曾孫となる子を出産した時も
力弱くなってきていた腕でしっかりと抱きしめてくれた。
入院してる時も
見舞いに行くと必ず子供を抱き上げ、散歩に出かけたりもした。
あんなに大きかった彼を
少しずつ小さく感じ始めた…
病院を移ってからの彼は
リハビリがないからか
衰弱する一方。
もう語ることもできなくなった…。
何年経っただろう…。
私はいつしか
会いに行かなくなった。
寝たきりの彼を
もう現世から解放してあげようよ…
新しい世界への旅立ちを
祈ってあげようよ…
彼は
元気で動き回りたい人だから…
だけど
やってくる。
その時が…
私は
彼を失う…
愛した人
初恋の大切な人
愛してる…
愛してる。
次が
あなたの幸せな世界でありますように…