地味深イ~☆ 「大失敗賞」 -太陽パーツ株式会社 | 仕事の覚書き

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メモメモ

まずは、今日の産経新聞の記事

「社員表彰に「大失敗賞」 その“栄誉”に込めた思い」

これはなかなか面白い方法論です。特に組織力が十分ではない中小零細企業においては、そのまま適用可能な大変参考になる方法なんじゃないかと思うし、大企業などでは組織の問題を表面化するのに大変有効な策であると思います。

デフレ不況の長期化によって、日本の国内市場全体が縮小している現代では、どんな優良企業であっても業績にあぐらを掻くことは許されません。何故なら、国内市場の縮小は解かり易く言ってしまえば「椅子取りゲーム」。今回は椅子に座れた人であっても、明日また椅子に座れる保証はないからです。

普通であれば、そんな中、会社の年間利益をすべてパーにしてしまった社員などは生贄(いけにえ)も同然の存在。責任を取らされて「首」にされてもおかしくないし、大企業などではさすがに首には出来なかったにしても、当人は左遷され、実質給与減額の憂き目にあうのが普通でしょう。

わたしは、そういった処罰は組織論としては間違っていないと思います。何故かと言えば、権限が与えられるということは、当然それに対して責任も生じるためです。

しかし…

現代の会社組織で問題なのは、権限が与えられているにもかかわらず、失敗を怖れ何の行動にも出ない連中が少なからず存在します。これは社会でも同じ。日銀などがその一番良い例です。
確かに世の中には、適当な解決策がなく、ただ耐えることのみが一番損害を抱えることのない最善策であるような場合もあります。だから、何だかんだ屁理屈を捏ねては責任回避をしては、何の施策も打たないことを以って「全て間違いである」と言う気は毛頭ありません。

が…

そうならば、やはりその「決断しきれない」根拠をきちんと説明すべきであるでしょう。その結果、その不安が的中したのであれば「その人の勘は正しかった」ことになるし、成功したのであれば、組織の決断が正しかったことになるのです。

(まあ組織には、いろんな「困ったさん」が居るのですが…苦笑)一番悪いのは、後からいろいろと後出しで(前から解かっていたが如く)「ケチをつける連中」の存在と、そのような攻撃を恐れて、何もしようとしない連中なのです。

一言付け加えておきますが、「前以ってリスクを説く人」と「後でケチをつける連中」を混同してはいけませんので念のため☆


ちょっと話が横道に逸れてしまいましたが、では、この「大失敗賞」制度の何処が良いのか?

【メリット1】 建設的であること。

失敗を招いたとは言え、果敢な挑戦自体を否定してはいけません。例えば戦争で、その場の結果は負け戦であっても、何故「勇気」を称えたり、負傷したことで褒章が貰えるのでしょうか?
勝って貰える褒章もそうですが、これは戦争に対する軍隊のモチベーションを維持するために、必要不可欠なことなのです。
この部分を疎かにしていると、戦争では兵は戦わず、我先にと逃亡します(苦笑)

【メリット2】 失敗の棚卸し作業によって、同じ失敗を繰り返さないレビュー活動が定着すること。

これは大変重要な視点です。従業員への褒章を議論するプロセスを経ることで、知らず知らずのうちに、実は組織自体の強化が図られているのです。
そして、この制度の隠れた良さは、このプロセスを重ねることによって、結果的には失敗したものの、果敢な挑戦で失敗したのか、それとも、不注意や怠惰が原因で失敗したのか。ある意味「組織の善悪」を見極める能力が組織に付いてくること、即ち、従業員の間でその価値が共有されることなのです。


どんなに練りに練られた精巧なプランであっても、3本に1本成功すればまだ良い方。実際に実行に移して見れば予想通りに進むことなどまず有りません。

「石橋を叩いて3年」なんて余裕は今はどこの会社にもありません。「石橋を叩いて石橋を壊す」なんてのも阿呆なら、「石橋を叩いてイザ渡ろうとしたら崩れた」なんてのも救いようがありません。

若い新入社員には「石の上にも3年」は必須だと思いますが…苦笑


この記事自体は、何の変哲もない実に地味なニュースだと思います。しかし本来「真実」は地味なものの中に隠れているものです。
今日のこの記事は、そんな地道な何の変哲もない中小企業の活動の中に、多くの「真実」そして「幸せの法則」が隠れているニュースだと思い取り上げさせて貰いました。

経営者には参考にして貰いたいですし、サラリーマン諸君には組織を良くする一例だと思って考えて貰いたい。そして新入社員や就活で苦しんでいる学生諸君には、就活で単なる有名企業や大手企業に群がっていないで「こういう地に足が付いている企業にも目を向けてはどうでしょうか?」というメッセージを込めて書いています。

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ご迷惑でなければヨロピコっす(苦笑)