娘は私達夫婦が望んでいた存在で、幸運にも無事に生まれて来てくれた。

だから娘がいる毎日は楽しくて、新しい。

小さく生まれた娘を見て、どうかゆっくりと大きくなって欲しいと願った。


じっくりと成長を見届けたいと思った。

そして願い通り、娘が産まれてから、時間の流れをものすごくゆったりに感じる。


予想に反した結果でなぜだろうと思っていたら、
「それは初めてでいっぱいだからだよ」と夫が言った。

本当にそうかもしれない。

しあわせいっぱい、のように見える。

子供は時々障害になる。
大人の世界にはそぐわない存在。

夫婦で楽しんでいた事はしばらくお預けだろう。
ダイビングはしばらく行けないだろう。
毎年見ていたコナンの映画も、しばらく映画館では無理だろう。
予防接種の日、歯医者の日、夫は休みが取れるだろうか。
外食はおむつ替えが出来る場所。
旅行先もおむつを替えられる場所をチェックしないと。
旅先ではどうやってお風呂に入れよう。
どれくらいの着替えを持っていこう。

そうやってトライアンドエラーの日々を私達にもたらしている。

「もう一度、子供時代を体感している感じ」

夫にとっての育児はそんな気持ちになるものらしい。

私はこんな大変な瞬間が、何にも変えられない宝物に感じる。

ひとつひとつ、噛み締める余裕を持っていたい。