今回は近鉄の試作車両3000系です。

 

パッケージ

1979年に製造された近鉄唯一のオールステンレス車両・省エネを考慮して電機子チョッパ制御方式を採用した4両編成1本製造されました。

京都市営地下鉄烏丸線への直通運転に対応するため試作要素を盛り込んで製造されましたがこの車両が乗り入れることはありませんでした。

2019年に会社限定品で発売され、2022年に近鉄グッズマートで再販されました。

 

商品情報

・2022年1月発売

・1箱7000円

・ク3501‐モ3001‐モ3002‐ク3502の4両セット

・ステッカー、動力化用台車枠、アンテナ、モ3002用スカート・ダミーカプラー付属
メーカー推奨パーツ

・動力ユニット TM-14 20m級動力ユニットA2※スペーサーMを使用

・走行パーツ  TT-04R     

・パンタグラフ TOMIX 0258 PT4212S   

レビュー

〇橿原神宮前寄り先頭車 ク3502

ク3502

橿原神宮前寄り先頭車のク3502です。

20m級4扉の車両で、近鉄8600系をベースに車体をオールステンレス化した車両になります。

運用によってク3502を切り離して3両運転を行えるように設計されていました。

当時、オールステンレスカーが特許の関係で東急車輛でしか製造できませんでしたが、近畿車両で異なる工法で製造され、国鉄が205系を採用するまで唯一の東急車輛以外で製造されたオールステンレスカーとなりました。

 

正面

車番は印刷済み。幌枠は黒で塗装され、ヘッドライトは無着色、標識灯は黄色、テールライトは赤で着色されたクリアレンズパーツが取り付けられています。

ライトケース類は銀色で塗装済み。顔の両側のマルーン部分は取り外すことができるようになっています。

ステンレス車は無塗装か帯が入ることが多いですが、近鉄3000系では北総7000形のように運転台の窓周りを覆うようにカラーフィルム(後に塗装化)を纏い無機質な印象を緩和する工夫が施されました。

 

側面

車番が印刷され、窓とドアの間と窓下にマルーンの帯が塗装されています。

ボディは東急8000系のようなコルゲートボディとなり、窓上には行き先と種別方向幕部がそれぞれモールドで表現されています。

後に1か所が撤去されましたので、末期の状態を再現するには加工が必要になりますね。床下機器はタンクとブレーキ作用装置と小箱が少々。

 

表記類

窓サッシは銀色で塗装済みです。車番は窓下にプレートで設置されていたんですね。

車番、車側灯共に台座パーツがモールドで表現されています。細かいですが、ドア上に細く水切りも表現されていてGOODですね。

 

妻面

妻面は両側に雨どい、向かって右側に昇降ステップがモールドで表現されています。

少し裾を絞った車体形状だったんですね。

 

屋根

無線アンテナはユーザー取り付けパーツです。

クーラーは連続型のキセが一体で成型されていて、グレーで塗装してあげると見栄えが良くなりそうです。

 

〇先頭車 モ3002

モ3002

橿原神宮前寄りの2両目に連結される先頭車モ3002です。

制御電動車となっていて、3両目のモ3001とユニットを組みます。運用ではク3502を切り離し、モ3002‐モ3001‐ク3501の3両編成で運用できるようになっています。

製品では再現できるようにスカートとダミーカプラー、胴受けパーツが付属しています。

後に他形式と連結できるようにブレーキシステムの変更と4両固定編成化が行われたときに運転台機器を撤去され中間車となりました。

当時の技術ではステンレス鋼の加工は難しかったため、外観はそのままとなりました。

 

正面

スカートがない以外はク3502と同じ。

 

側面

塗装、表記類はク3502と同じ。

床下機器は主抵抗器とチョッパ装置用のリアクトルが2基取り付けられています。

 

妻面

妻面はク3502の物に機器箱が左右に取り付けられています。

 

屋根

屋根はク3502と同じ。こちらも無線アンテナはユーザー取り付けパーツとなります。

 

〇中間車 モ3001

モ3001

中間車モ3001です。下枠交差型パンタグラフを2基搭載する電動車となります。

東武10000系チックな雰囲気を感じますね。

 

妻面(橿原神宮前寄り)

妻面はモ3002を反転させたような配置に代わります。

 

側面

窓配列が独特で先頭車のドア位置に合わせているため、橿原神宮前寄りのみ窓が2枚になっています。

床下機器はチョッパ制御装置や断流器類が取り付けられています。

 

妻面(京都寄り)

京都寄りには屋根上からの配管が来ており、向かって左側は1本とステップと機器箱、右側は3本の配管が妻窓をよけながら配置され、雨どいもそれに合わせて少し外板寄りに曲げられています。

 

屋根

屋根はパンタとヒューズ箱以外は一体成型となります。

両車端にクーラーが1基設置されているためパンタは少し車体中央寄りになります。

京都側に配管が回るようになっています。

 

パンタ周り

京都寄りのパンタ周りの配管がすごい回り方をしている。

 

〇京都寄り先頭車 ク3501

ク3501

京都寄り先頭車のク3501です。

 

正面

基本的にク3502と同じ。

 

側面

床下機器はコンプレッサーやサイリスタMG(補助電源装置)が取り付けられています。

 

妻面

妻面は向かって右側に昇降ステップと機器箱が取り付けられています。

 

屋根

屋根はク3502と同じ。

 

1編成導入

近鉄車両を手持ちに加えるのは今回が初となりました。

実車はすでに引退してカットボディで保存されているようですね。

近鉄初のステンレスカー(この形式のみ採用)、チョッパ制御車(この形式のみ採用)、ブレーキシステム(後に他形式と同じものに改造された)、地下鉄乗り入れ対応設計(実際に乗り入れることはなかった)という試作要素満載の車両だったので、今回の再販で購入しました。

試作車っていう響きは惹かれるものがあるので買ってよかったです。