今回は国鉄末期に投入されたVVVF試作車、207系900番台です。
パッケージ
国鉄は北陸新幹線用車両に採用するVVVFインバーター制御の研究のため、101系を改造して試験が行いデータを取得しました。その後、結果を反映して量産化を目的とした車両として205系ベースの車体で製造された試作車です。
10両編成1本が落成し常磐緩行線に投入され、営団地下鉄(現・東京メトロ)千代田線直通用車両として1986年から2009年まで活躍しました。
地下鉄乗り入れに際して高い加減速度や省エネルギー性などが要求され、103系1000番台より省エネルギー化を図ったチョッパ制御の203系と同一路線を走るため比較試験の目的もあったようです。
製品では基本Aセットと増結Bセットを組み合わせるようになります。
商品情報
・2017年6月発売
・基本Aセット(クハ207-901、モハ207-901、モハ206-901、サハ207-901、クハ206-901)と
増結Bセット(モハ207-902、モハ206-902、サハ207-902、モハ207-903、モハ206-903)の2種
・1箱7500円+税
・動力化台車枠、無線アンテナ、信号炎管、ステッカー付属
メーカー推奨パーツ
・動力ユニット TM-14(20m級A2)※スペーサーSを使用
・走行パーツ TT-03
・パンタグラフ TOMIX 0262 PS21パンタグラフ
レビュー
〇取手寄り先頭車 クハ207-901
クハ207-901
取手寄り先頭車のクハ207-901です。10号車に位置する制御車になります。
帯色は205系と異なり、ドア上は無しとなります。
正面
JRマーク、編成番号(71)、運行番号(15K)、行先方向幕(我孫子)が印刷済み。
運行番号と行き先は付属のステッカーで貼り替え可能になります。
205系ベースで地下区間で使用する非常扉が中央に設置されているため、窓割が左右対称になりました。ライトユニットはクリアレンズになっています。
運客仕切り板
仕切り板パーツが取り付け済みです。内装色に塗装されていて、外からの見栄えが良くなっています。
側面
車番、行先方向幕、JRロゴと表記類が印刷済み。
床下機器はタンクと機器箱が少し並ぶだけとなります。
205系初期型をベースとしているため、客用ドアは小窓で昇降用ステップ部で帯が切れています。
表記類
表記類は細かく印刷されています。側面方向幕もステッカーによる貼り替えが可能です。
妻面
妻面は205系とほぼ同じ。銘版は3つ付いています。
屋根
屋根はベンチレーター、クーラーが取り付け済み。信号炎管と無線アンテナはユーザー取り付けパーツとなります。
ここは205系と変わりませんね。
〇パンタ付き中間車 モハ207-901(9)、902(6)、903(3)
モハ207-901
パンタ付き中間車のモハ207-901です。取手寄りにパンタグラフが取り付けられています。
各車モハ206形とユニットを組む車両となります。
妻面
取手寄り妻面はステップ、配管がモールドで表現されています。
側面
表記類は同じ。床下機器はCP、断流器、VVVFインバーター装置が取り付けられています。
901はAセット、902、903はBセットに封入されています。
実車は東芝、日立製作所、三菱電機、東洋電機、富士電機のインバーター装置がそれぞれ取り付けられていて、901と903は東芝、902は富士電機のVVVFインバーター装置が取り付けられています。
側面は205系と異なり、主電動機冷却用の風を取り込むルーバーがなくなりました。
妻面
代々木上原寄りの妻面は銘版やドア点検蓋がモールドで表現されています。
屋根
屋根は各部品が取り付け済み。ヒューズ箱や避雷器も取り付け済みになっています。
パンタ周り
避雷器以外にヒューズ箱が設置されています。
地下鉄乗り入れ車両はヒューズ溶断時に起きる火花で火災が起きないよう、屋根上にヒューズ箱が移設されています。
103系でも地下鉄乗り入れ用の1000・1200番台は屋根上に設置されるようになりましたね。
〇パンタなし中間車 モハ206-901(8)、902(5)、903(2)
モハ206-901
パンタなし中間車のモハ206-901です。モハ207とユニットを組む車両で、この車両にもVVVFインバーター装置が取り付けられています。
妻面
取手よりはステップとドア点検蓋がモールドで表現されています。
側面
表記類は同じ。
床下機器はVVVFインバーター、断流器、MGが取り付けられています。
901は三菱電機、902は日立製作所、903は東洋電機製のVVVFインバーター装置が取り付けられています。
6両で5社の機器が搭載されているところを見ると、日本の大手電機メーカー各社の比較研究が行われていたのがわかりますね。
整備する方は大変そうです…
妻面
代々木上原寄りの妻面です。こちらは銘版がモールド済みです。
〇パンタなし中間車 サハ207-901(7)、902(4)
サハ207-901
パンタなし中間車のサハ207-901です。
クハ2両とMM’901・902の計6両は川崎重工で落成し、6両で試運転を行ったのち、東急車輛で製造されたサハ2両とMM'903の計4両を組み込んで10両編成となりました。
側面
床下機器はクハと同じ。
妻面と屋根はモハ206と同じなので割愛。
〇代々木上原寄り先頭車 クハ206-901
クハ206-901
代々木上原寄り先頭車のクハ206-901です。1号車になります
基本的な部分はクハ207-901と同じなので割愛。
1編成導入
年末年始に買った商品のうちの一つです。
415系、E501系、209系1000番台と集まっていくうちに集めてしまいました。
昔から好きな車両でしたが中々見かけることができず、何回か追いかけた思い出があります。
ラストランの日は仕事で見に行くことができなかったのを覚えています。
205系シリーズはカッコいい車両が多いのでとても大好きです。
もっと早く買っておけばよかったですね。