今回はnano factoryさんのDMMクリエイターズマーケット製品の東急デハ8400(初代)です。

 

封入部品

東横線で活躍していた8000系に組み込まれた車両で、軽量ステンレス構体の試作車デハ8400形(8401・8402)として登場しました。この結果を踏まえて量産車として8090系が生まれ、この2両のデハ8400は2回の改番を経てデハ8254・8255となりました。

3Dプリントで製作された製品で、接着剤を使用するキットではなく、ガンプラなどと同じはめ込み式のスナップフィットキットとなっています

 

部品は屋根、側面板×2、妻板×2となります。

車体のみとなりますので、他に以下の部品が必要になります。

〇クーラー…nano factory製 RPU‐2204クーラー/トレジャータウン製 RPU-2204/GM製 CU126形(トレジャータウン製とGM製は屋根側の加工が必要)

○シャーシ···GM製 20m級完成品用シャーシ(現行の完成品で使われるピポット軸タイプのシャーシが良いと思います)

〇台車…GM製 TS807

〇動力…GM製 20m級コアレス動力

〇他…窓セル。ステッカー

接着剤を使わなくても組めるので、部品を洗浄し、先に塗装を行ってから組み立てました。

 

側面版(裏)

ドアと客用窓の間に仕切りがあったので窓セルは切って貼る必要があると思いましたが、よく見るとそこに窓セル分の隙間があり、7㎜幅に切った窓セルをスライドして入れる方式となっていました。

これはびっくり。屋根取り付け部にはボス穴が多くあけられていて、妻面にもボス穴とキー溝があるのでそのままはめ込むだけとなります。

屋根板は取り付け向きを間違えないように渋谷寄りと桜木町寄りで穴の数が変わっています。

 

屋根

屋根にはクーラー取り付け穴が開いています。穴の両脇に取り付け足がついています。

トレジャーやGM製の物を取り付けるときは両脇の取り付け足が邪魔になるのでカットしておいた方がよさそうです。

私はGM製のCU126を取り付けましたのでこの部分はカットしました。

 

デハ8254

キットをそのまま組み立てました。

塗装はサフ→Mrカラーのスーパーファインシルバー2で、屋根はねずみ色で塗装。

シャーシは手持ちの旧タイプの20m級シャーシを使用する都合でボディ側の取り付けピンを削り、シャーシの両脇も削って幅を狭くしました。

シャーシの削りが一番大変でしたので、次回作る機会があったら完成品のシャーシを組み込もうと思います。

 

妻面(渋谷寄り)

渋谷寄りの妻面です。表面の質感は3Dプリント特有のもの。

雨どい、窓枠、手すり、幌枠がモールドで表現されています。

 

側面

軽量車特有の8090系に近いローラープレスのビードボディとなり、上部の幕板部や窓枠、ドア窓下の帯など細かくモールドが入っています。

床下機器はGM製の4136B、台車は板キットで作ったデハ8254から移植。

 

モールド類

社紋板や車番プレートは土台がモールドであり、戸閉車側灯も丸型土台に横小判型の物がモールド表現されています。

ビードもいい幅で作られていますね。板キットで作る時は方向幕周りの表現が結構難しく、キット流用で行ったら結構ずれたんですよね。

 

妻面(桜木町寄り)

桜木町寄りの妻面はドアコック、検査表記、製造銘版が刻印されています。

 

屋根

積層痕は磨いてあげた方がいいかもしれませんね。次回製作することがあったら磨いてみよう。

 

妻面比較

左はGM製8090系(完成品)で、右がnano factory製デハ8400(初代)。

デハ8400は車体下部までストレートで裾だけ絞られる形状となります。そのためホームと車両との隙間が多く、ドア部にはステップが設けられていたそうです。

量産車の8090系は他形列と連結する事がない前提で作られたので、車体上部が少し狭く、下部に連れて膨らみ裾が絞られる下膨れの形状となり、車体下部が膨らませたのでホームとの隙間が狭くすることが出来たそうです。

一見8090系と同じ車体に見えますが、実は断面形状が違うんですよね。板キットでは難しいところもこのように作れるとは、凄いですね。側面との継ぎ目は雨どいの部分なので目立ちにくくなっています。

 

鉄コレと連結

鉄コレの8000系と連結させました。

コルゲートボディにビードプレスボディ。この全然違う見た目の車両が組み込まれているのがまたいいですね。

8027Fはさらに元2パンタ車や屋根肩がステンレス無塗装の13次車が組み込まれたりと、バリエーション豊富な車両構成となっています。

 

1両完成

先日発売されたのを見つけ、発注。早速組み立てました。

板キットから作られる方が多く、私も板キットから作りましたが3D製品で製品化されたので置き換え用に購入・製作しました。

8000系列の中で2両しかいないこのデハ8400が製品化されたことには驚きました。大手メーカーでは製品化されないであろう車両ですが、今は3Dプリントで製品化されるようになりましたね。とてもうれしい時代になりました。

スナップフィットキットなので塗装後に組み立てられるのが非常にいいですね。窓セルも仕切りの後ろから入れるようになっていて細かく切り貼りしなくてよくなっているのは驚きました。

 

鉄コレの東急8000系が必要分揃ったらもう1両買って歌舞伎塗装の方を作りたいですね。