9000系
1985年に登場した20m級オールステンレス・VVVF制御電車です。旧6000系をVVVF化改造をして何度も実験を行い、その結果を反映させた形の車両です。東横線に投入された8両編成14本と大井町線5両編成1本の計15編成が東急車輛にて落成しました。
この車両の登場により、東横線を走っていた8500系を田園都市線・新玉川線(現・田園都市線)に転属させ、8090系を5両編成に組み替えて大井町線に転属させて、大井町線を走る7000系・7200系を目蒲線と池上線に転属させ、両線を走る旧型車両を置き換えるという大転配が行われました。
営団南北線(現・東京メトロ南北線)と都営三田線に乗り入れることを前提に線形・製造された車両で、正面に非常時脱出に使う貫通扉が設置されています。
前面は貫通扉がオフセットされて配置されていて、運転台部分が拡大されています。
東横線に投入された編成(9001F-9006F・9008F-9015F)は後にスカートが取り付けられ、大井町線に投入された編成(9007F)は後に帯色が赤から大井町線グラデ帯に変更されました。
東横線投入分には車内表示機とドアチャイムも後に取り付けられました。
ちなみに、南北線や三田線に直通する前提で作られた車両ですが、ワンマン対応などの工事費がかなりかかることが分かり、新造車両を作ったほうがコストが抑えられることがわかり、直通用車両は9000系から新3000系に変更されました。
近年では東横線へ5000系(5118F・5119F・5121F・5122F)、5050系、5050系4000番台の投入により5両編成に改造されて大井町線に転属しています。ちなみに、9001Fは5両編成となって大井町線に貸し出されたり元に戻ったりと何回か東横線と大井町線を往復しています。長期貸し出し時には外れた中間車の走行距離調整のため、別の編成に9001Fの中間車を組み込んで走行したこともあります。また、大井町線9007Fは3両編成となってこどもの国線で試験運転をしたこともありました。
大井町線転籍改造は東急テクノシステムにより行われています。
9001F

9000系東横線投入分。8両編成です。車内は内装更新を施された車両があり、化粧板が木目調になった編成もあります。
車端部にはボックスシートがあります。後年にクーラーの交換、車内表示機・ドアチャイム・スカートの取り付けが行われました。
みなとみらい線直通に伴い、方向幕の交換、非常用はしごの大型化が行われました。
Bトレでは東急百貨店、電車市場限定で登場しました。1000系と共通の側面板・屋根パーツ・妻板・パンタ・台車で構成されていますが、前面板の方向幕部分の塗りわけ、ガラスパーツの2枚窓化が行われています。出来は非常に良い物となっています。がっしり組めてかなりいいです。
妻板はガラスパーツに塗装したものとなっており、扉部分にドアステッカーを貼って再現する方法がとられています。2000系で採用されている斜め窓のドアを再現するためにこのような方法をとったようです。
9009F

東横線に5000系・5050系・5000系4000番台の投入により運用を離脱した9000系を大井町線仕様に改造した車両で、転属先の大井町線を走る8090系の置き換えを行いました。
先頭車には大井町線用機器を追加し、帯色を誤乗防止のグラデーション帯をまとい、大井町線ステッカーを貼り付け、行き先表示機をフルカラーLEDにしました。中間車は全車M車で、3M2Tの編成を組んでいます。
一部編成は東横線時代に内装を更新した編成もあります。パンタグラフをシングルアームパンタグラフに交換しています。
Bトレでは9000系に選択式のグラデ帯ステッカーを貼るだけで完成します。
1000系
1988年に登場した電車で、9000系をベースに設計・製造された18m級の車両です。日比谷線直通用で作られた旧7000系を置き換えたり、池上線の7200系を置き換えた車両です。
使用部品のほとんどを9000系と共通の物を使用しているため、製造コストの削減、整備製の共通化、操縦性の共通化に貢献しました。識別のため、方向幕や種別表示機の周りが黒縁塗装となっています。また、日比谷線直通用車両は運転台の化粧版の一部に識別用の緑色のシートが貼られています。
日比谷線直通用は6M2Tの8両編成。池上線・多摩川線投入分は2M1Tの3両編成です(目蒲線投入分は当初は3M1Tの4両編成で、後年組み換えが行われ3両編成に。余った中間車は新製された先頭車と組み合わせて3両編成として予定通り投入された。)。他には東横線と目蒲線兼用の4両編成(3M1T)がありましたが、8両編成と3両編成に組成、組み換えが行われ、4両編成は消滅しました。
1000系は長年日比谷線直通用として活躍してきましたが、ダイヤ改正に伴い運用が削減され、日中は元住吉検車区に留置されていることが多くなりました。一部編成は運用を離脱し、1010Fと1006Fと長年留置されていた1011号車と1310号車は伊賀鉄道に譲渡されました。
池上線・多摩川線投入分も新7000系の登場により置き換えが行われ、置き換えられた1014F・1015F・1016F・1018Fは上田電鉄に譲渡されました。
東横線投入分はATCを搭載しているので問題は無いですが、池上線・多摩川線投入分はATSしか投入されていないので、デヤ7200+7290号の間に挟まれて長津田工場に回送されていましたが、今後は新型検測車デヤ7500+7550号に挟まれて回送されるようです。
1000系(東横線・目蒲線兼用車)

東横線と目蒲線で使用する目的で作られたため、分割・増結可能な編成です。
クハ1000-デハ1200-デハ1360-デハ1300(センタードア)+クハ1000(センタードア)-デハ1200-デハ1360-デハ1300と言う編成で東横線を走っていたこともあります。センタードア同士の連結部分は行き来可能になっていました。8500系の大井町線兼用車も同じく行き来可能になっていました。
1010Fと1011Fと1012Fと1013Fの4編成があり、それぞれ1010F+1011F、1012F+1013Fという形で編成を組んで使用されていました。
後年編成替えを行い、1010Fのデハ1310と1011Fのクハ1011を編成から外し、1010Fのデハ1360とデハ1210を入換え、1012Fのデハ1362と1013Fのデハ1363(電装解除されてサハ1050形1051になった)を組み込んで、クハ1010-デハ1360-デハ1210-サハ1051-デハ1362-デハ1211-デハ1361-デハ1311という8両固定編成に生まれ変わって運用を日比谷線直通用に固定され、デハ1350形を提供した1012Fと1013Fは運転手の操作ミスを防ぐため、先頭車の形状(運転台タイプのセンタードア同士、通常タイプ同士)をそろえた上で池上線に転属しました。
編成から外れたデハ1310とクハ1011は休車となり部品提供車となっていましたが、後年運用を離脱した1010Fのクハ1010とデハ1311と組み合わせ、クハ1010-デハ1311とクハ1011-デハ1310と言う編成となり、一部機器を新製し、必要機器を追加した上で伊賀鉄道に譲渡されました。200系となって忍者ラッピングを纏って活躍しています。改造は東急テクノシステム長津田工場で行われました。
1000系(池上線・多摩川線投入分)

同線を走る旧型車両を置き換えるために登場した編成で、2M1Tの3両編成。池上線投入分は3M1Tの4両編成でした(後年、組み替えて3両編成になった。)。
クハ1000+デハ1200+デハ1300で構成されています。ワンマン運転対応機器を搭載しています。
製作した1012Fと1013Fはもともと東横線と目蒲線の共有編成の4両編成でしたが、1010F+1011Fの8両固定化に伴い中間車を提供して3両編成となりました。
運転台が通常タイプとセンタードアタイプの2種類あり、操縦性の統一化に伴い、1012Fの3両目に1313を、1013Fの3両目には1312というように、それぞれの先頭車を振り替えました。
現在もセンタードア編成の1013Fや通常タイプの1012F、1017F、1019F-1024Fは活躍しています。
1014F-1016F、1018Fは中間車を抜かれ、改造されて上田電鉄に譲渡されました。改造は東横車両電設(現・東急テクノシステム)長津田工場で行われました。
Bトレでは1000系2両セットで登場。前面板が3種類付属しているため、様々なバリエーションが作れます。
車番も8両編成、4両編成、3両編成の物が封入されているので、様々なバリエーションが作れます。
製品情報(9000系)
○登場シリーズ・セットシリーズ・・・2両セット
○お値段
・1箱1,260円
○使用シャーシ
・新HGシャーシ
○その他情報
・2000系用屋根パーツが付属
・妻板貫通扉はステッカー式
・電車市場、東急百貨店限定品