笠井紀美子 「TOKYO SPECIAL」       1977
 
 『キミコはTOKYOに何を求めたのか?何をコミュニケイトしたいのか?』
 
 
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 笠井紀美子といえば、ジャズ・シンガーというイメージが強いですが、
本作は「AOR」というか、かなりポップ路線です。
曲は山下達郎や矢野顕子、メンバーの鈴木宏昌らが提供してますが、
詩は何故か全曲故・安井かずみ(御存じ、故・加藤和彦氏の奥方)、
まさに「安井かずみソング・ブック」と言ってもいいでしょう。
 
 A面はサラッと聴き流し、B面に移りましょう。
B-1「Tokyo Special」、本作中、一番のフュージョン・スタイル。
というか、当時はまだ「フュージョン」というコトバは無く
「クロスオーヴァー」という表現でしたね。
日野皓正のトランペットもシャープに響き、アーバンな雰囲気。
対するB-2「木もれ陽(Sequoia Forest)」はネイチャーな雰囲気、
ゆったりと唄い上げています。
 
 そしてB-4「待ってて・・・」は矢野顕子作。
矢野顕子は76年にアルバム「ジャパニーズ・ガール」でデビューしたばっかり。
矢野顕子サウンドらしい特徴のある曲。
これで歌詞が違い、唄い方が違うと完璧な矢野顕子。(当たり前だ!?)
 
 当時はここまでポップなアルバム作りにちょっとガッカリしたのを覚えてますが、
今聴くと、かなり良質なポップ感が満載の作品です。