MILES DAVIS  「IN A SILENT WAY」       1969
 
 『衝撃の "ビッチェズ・ブリュー" の骨組みを成す問題作。
フュージョン・ミュージックのルーツを探る意味でも興味深い。』
 
 
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 73年のジョン・マクラフリン「火の鳥」を聴いて、
こんなウルトラバカテクのギタリストがマイルス・ディヴィスというヒトの
バンドにいた、ということを知り、買い求めたLPでした。
「火の鳥」ではバリバリ弾いてたのに、なんでこんなに静かなの?
と、当時は不思議に思ってました。(笑)
 
 A面の「Shhh / Peaceful」、トニーのハイハットのシンプルなロックビート、
キーボードは3台、コリア&ハンコックのエレピにザヴィヌルのオルガン、
そして控えめに弾くマクラフリン...。
そう言えば、マイルスもショーターもフレーズがきれいです。
キーボードに乗っかったメンバーはバトルもなく、かなりミステリアス。
 
 B面の「In A Silent Way / It's About That Time」、
エレピをバックに牧歌的な雰囲気を醸し出すマクラフリンのテーマ、
マイルス~ショーターへとテーマは受け継がれ、
A面のようなビートもまったく無く、静謐な中にも緊張感が。
一転、後半ではベースとドラムスのロックビート、
マクラフリンの短いフレーズが連続したソロ、
続くショーターのシンプルなソロ、そしてリズムがだんだん明確になり
マイルスの歌心溢れるソロに突入、リズムも変化します。
後半は「待ってました!」とばかりのトニーのドラミング復活。
最後は再び牧歌的な雰囲気で終わります。
 
 ワタシ的には電化マイルスの中では一番好きなアルバムで、
よく「ビッチェズ・ブリュー」の前段階と言われますが、
「ビッチェズ」とは別物のような気がしますが、どうでしょうか。