朝崎郁恵 「かなしゃ愛のうた」     2012
 
 『いくえ母さんの新しい世界
それは、昨日の、今日の、明日の子どもたちに贈る子守唄
夢をみること、命をつなぐこと、愛をしんじること
お母さんの歌からそんなことを想った
ありげてさまりょうた・・・Ua』
 
 
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 子守唄や童謡として唄われた奄美の島唄を中心に構成されてます。
中には宮沢賢治作の「星めぐりの唄」や島唄~アメリカ民謡、
島唄~アイルランド民謡などの趣向を凝らしたメドレーなども
全く違和感なし。
 
 「菜の花畑に 入日薄れ...」でお馴染みの「おぼろ月夜」、
郁恵さんの微妙な音程のずらし方がもたらす浮遊感みたいなのが魅力です。
また三線ではなくバンジョーをバックに唄った奄美の島唄「いきゃびき」も
意外性を含んだアイデア賞モノでしょう。
 
 また郁恵さんの持ち歌「おぼくり」と「えーうみ」にサンドイッチされた
「Aiあふれて」はメンバーが作ったアコギ弾き語りの曲なんですが、
後半、この「Aiあふれて」と郁恵さんの「えーうみ」が
見事に重なって行く様はまさに「平成の相聞歌」と言えるでしょう。
そしてアカペラで唄われることが多い島唄「千鳥浜」を
アコギとブルース・ハープの伴奏で唄ってるのも新鮮です。
 
 その他「竹田の子守唄」や「赤とんぼ」、「ゆりかごの歌」など、
日本に生まれた人間にはたいへん聴き覚えのある唄も披露してくれてます。
「ゆりかごのうたを カナリヤがうたうよ
ねんねこ ねんねこ ねんねこよ」の「ゆりかごの歌」は
ワタシの長男が生まれたときに天井から吊るメリーゴーラウンドのメロディでした。
このメロディを聴きながら長男は眠ったのを思い出します。
 
 齢78歳にして、このチャレンジ精神にはまったく頭が下がりますぜ!