よく「無人島へ持って行くアルバム」とかっていう例えがありますが、
「電気も通ってない無人島で、どうやってレコード聴くんだよぉ!」的な
非現実的な発想ではなく、誰もがいづれ訪れる死期に際して
「棺おけに入れて欲しいアルバム」・・・これも棺おけと共に燃やされてしまう、
「あの世に持って行くアルバム」・・・持って行くというだけの満足感でしかなく、
実際、あの世で聴けるわけでなし。
それでは「葬儀で流して欲しいアルバム」とか
「死期が近づいた時に枕元で聴きたいアルバム」とか、
いろんなこじつけを考えますが、
ここは素直に「あの世へ持って行くアルバム」ということで...。(笑)
 
 なお、アルバム・タイトルの前の番号は好きな順番とか、優先順位とかは関係なく、
ランダムに載せて行きたいと思います。
 
 
SONNY CLARK  「COOL STRUTTIN'」       1958
 
 日本人好みのブルーズといえば、この「クースト」や「モーニン」などが
挙げられるでしょう。いろんなミュージシャンが取り上げてますが、
ワタシは下の写真の3枚が特にお気に入りです。
 
 
イメージ 1
 
 
 
① SONNY CLARK 「SONNY CLARK」     1958
 
 日本のジャズ・ファンに特に好かれているアルバムでしょう。
もちろん私も大好きです。
ソニーのシングル・トーンのピアノは判りやすいし、
5人のグルーヴがこのブルーズを完璧なものへと形作ってます。
ダウンビート誌では星2.5だったそうで、なぜか日本ですごく評価された作品です。
この時ソニーは弱冠26歳! 31歳で生涯を閉じたソニーは
我々ジャズ・ファンの記憶に永遠に残ることでしょう。
 
 ソニー・クラーク (p)
 アート・ファーマー (tp)
 ジャッキー・マクリーン (as)
 ポール・チェンバース (b)
 フィリー・ジョー・ジョーンズ (ds)

 
② BENNIE GREEN 「BENNIE GREEN」     1960
 
 「もう一つのクール・ストラッティン」と言われているアルバムです。
 ベニー・グリーンのリーダー作にソニー・クラークが参加したもので、
ここでの「クール・ストラッティン」は少しテンポが速めで、
トランペットがなくトロンボーンとテナーの2管であることにも注目です。
オリジナルよりも若干スマートに聴こえます。
華やかさは無いものの落ち着いた雰囲気のバンド・サウンドです。
もちろんソニーのシングル・トーンは健在です。
 
 ベニー・グリーン (tb)
 ソニー・クラーク (p)
 ジミー・フォレスト (ts)
 ジョージ・タッカー (b)
 アル・ドリアーズ (ds)
 ジョー・ゴーガス (conga)

 
③ ART FARMER & FRANK MORGAN 
「CENTRAL AVENUE REUNION」     1989 
 
 こちらはかつてLAのセントラル・アヴェニューのクラブで活躍していた連中の
40年ぶりの再会セッションでライヴ・レコーディングです。
「当事者」のアート・ファーマーが中心です。
 テーマのあと、ルー・レビーのピアノに続きファーマーのソロが始まります。
ミュート・プレイが冴えてます。
 
 アート・ファーマー (tp,flh)
 フランク・モーガン (as)
 ルー・レビー (p)
 エリック・フォン・エスン (b)
 アルバート・ヒース (ds)

 上記の3枚には「クースト」の他に「ブルー・マイナー」も
共通して取り上げられていますので、
興味のある方は是非聴き比べてみてください。
 
 
 さて、次回の「あの世へ持って行くアルバム」は
ジョン・ハイズマン率いるテンペストを予定しています。
さていつになるやら...(笑)