V.A. 「THE INNER FLAME VARIOUS」     
1997
 
 『伝説のカルト・ギタリスト、ライナー・プタチェックに捧ぐ・・・
その天才的なギターワークとソングライティングが今、ヴェールを脱ぐ。
ロバート・プラント&ジミー・ペイジ、イヴァン・ダンドゥ(レモンヘッズ)、
PJ・ハーヴェイ等、ビッグ・アーティストが結集した
画期的なトリビュート・アルバム。』
 
 
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 大友博氏がライナーで書いておられます。
「じつにお恥ずかしい話だが、この原稿の執筆依頼を受けるまで、
僕はライナー・プタチェックというアーティストの名前を聞いたことがなかった。」と。
ワタシもまったく同じです。
ロバート・プラントのソロ・アルバムとかにも参加してたらしいけど、
「えっ!?こんなヒトまでトリビュート・アルバムが作られるの?」
というのが正直な気持ちでした。
実際、ロバート・プラントのソロ・アルバム制作に関わったものの、
アルバムには収録されず、シングルCDでしか聴かれなかったらしいのです。
そんなプタチェックが脳腫瘍を患い、彼を救おうという意図のもとに
このトリビュート・アルバムが制作された、という経緯らしいです。
 
 参加アーティストの中でワタシが知ってる名前は、
ロバート・プラント&ジミー・ペイジ、エミルー・ハリス、PJハーヴェイ、
マデリン・ペルーあたりでしょうか。
チェコスロバキア系というルーツを持つプタチェックの異国情緒あふれる
ナショナル・スティール・ギターが奏でるブルーズは、
どこか不思議なムードを醸し出すのです。
特にクリス・マッケイという女性シンガーが唄う
マイナー・ブルーズ「One Man Crusade」での哀愁あふれるスライド・プレイが
印象的です。同じくマデリン・ペルーが唄うマイナー・ブルーズ「Life Is Fine」では、
大成される前のマデリンの素朴な唄声と妙にマッチするスライドが面白いですね。
 
 またトリビュート作としては、ジョナサン・リッチマンのインスト
「Broken Promises」が、これまたマイナー・ブルーズしていて渋いですよ。
 
 ワタシにとってはまったくの未知のアーティストでしたが、
こうやってマイナー・ブルーズを中心に自らプレイし、
また他人からトリビュートされるプタチェックは
また新たな興味の対象となるかも知れません。