RY COODER 
「PULL UP SOME DUST AND SIT DOWN」     
2011
 
 どこか凄く懐かしさを感じると思ったら
70年代のライの一連のアルバムに参加していたフラーコ・ヒメネスが
ここでも頑張ってるんですね。
 
 
 
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 2曲目のワルツ「El Corrido de Jesse James」は
そのフラーコがアコーディオンを弾いてるテックス・メックス・サウンドで
昔からのライ・ファンは諸手を挙げて、あるいは涙を浮かべて喜ぶでしょう。
 
 レゲエのリズムを拝借した「Humpty Dumpty World」は
童謡の教訓に例え、現代の資本主義をさりげなく批判してるようです。
同じく「Christmas Time This Year」はフラーコのアコーディオンが加わった
楽しげなサウンドですが、戦争の悲惨さを唄った歌で、
続く「Baby Joined The Army」は軍隊に志願した娘の父親の心情を
唄ったものです。
フラーコが加わった楽しげなサウンドとは裏腹に
ここではライのエレクトリック・ギターの弾き語りでしみじみと聴かせてくれます。
 
 70年代のライのサウンドの特徴の一つに男性コーラスが挙げられますが、
ここでも懐かしのゴスペル隊(当時のボビー・キングの名前はないけど
テリー・エヴァンスは健在!)のコーラスをフィーチャーした「Lord Tell Me Why」、
ドラムスが息子ヨアヒムに替ってジム・ケルトナーが叩いてるところなんかも
70年代を彷彿とさせます。
 
 その他、ジョン・リー・フッカー風のトーキング・ブルーズなど、
いろんなスタイルのサウンドを下敷きにしていますが、
すべての曲の根底にあるのは現代社会に対する痛烈な批判のようです。
(外国語のニュアンスを理解できるほど長けてはおりませんので、
あくまでもワタシの推測であります。笑)
 
 ま、詩の内容はどうあれ、ワタシ的にはフラーコの蛇腹と
ゴスペル隊が聴けただけで、もう感涙モノでした。(笑)