あがた森魚 「赤色エレジー/ハートのクイーン」     1972
 
 
 
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 「エレジー」とは何ぞや?
辞書で調べると「挽歌」「哀詩」「哀悼歌」となっています。
歌詞といい、林静一の絵といい、いわゆる「大正ロマン」を匂わせる歌です。
歌の中では「昭和余年は春も宵」と唄われているので
「大正ロマン」というよりは「昭和ロマン」なんでしょうか...。
歌の中の一郎と幸子(いかにも昭和の代表的な名前)は同棲状態なんでしょうか。
 
 でも改めてよく聴くと、ヴァイオリンの音もクリアで大正ぽくないし、
伴奏のピアノはメロディを終始なぞってるだけだし、
サウンドは努めて大正ぽくならないように演奏されてるような気がします。
「愛は愛とて何になる 男一郎まこととて
幸子の幸は何処にある 男一郎ままよとて」
と、唄い出しで結論を表現しているところも面白いです。
 
 B面の「ハートのクイーン」は、これまた同棲男女の歌ですが、
かぐや姫の「神田川」とは正反対で貧乏臭くない楽しい歌です。
なんせ自分たちを大英帝国の王子と王女に例えちゃってますから。(笑)