SLEEPY JOHN ESTES 
「ON THE CHICAGO BLUES SCENE」  
1968
 
 
 1930年代からハミー・ニクスンとコンビを組み活躍してたスリーピー・ジョン、
50年代には行方不明となり、ブルーズ・シーンから葬られたような状態でしたが、
62年に極貧状態で生存してるのが発見され、DELMARKと契約を交わし
ブルーズ・シーンに見事復帰しました。
本作は68年にリリースされたアナログ盤「ELECTRIC SLEEP」に数曲付加し
CD化したものです。
 
 
 
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 往年のスリーピー・ジョンはアコギとハミー・ニクスンのハープ、
といった印象が強く、本作のようなバンド・スタイルは異色といえば異色か!?
サニーランド・スリム(ピアノ)、ジミー・ドウキンス(エレクトリック・ギター)、
キャリー・ベル(ハープ)、アール・フッカー&ジョー・ハーパー(ベース)、
オディ・ペイン・Jr.(ドラムス)といったバンド・スタイルで、
当時「FAST FINGERS」でデビューしたジミー・ドウキンスが
全編で微妙にチューニングのずれてるギターを弾いてます。
(ホント、微妙なずれなのですが、気にするヒトは気になってしょうがないでしょう。
ワタシはストーンズのハイドパークなんぞは聴く気もしませんから)
レコーディングの際はもちろん1曲ごとにチューニングを確認しますから
これだけ全曲に亘ってチューニングがずれてるということはあり得ないので、
これはミキシング時の失敗でしょうか。故意にずらす筈は無いし...。
 
 スリーピー・ジョンのヴォーカルにまで被さってくるジミーのギターは
ちょっと弾き過ぎ?という感もありますが、
それを除けば全体のバンド・サウンドはカチッときまっており、
スリーピー・ジョンの声にも艶があり、なかなかの怪作(?)です。
ジミーが珍しく控えめにギターを弾いてる「Divin' Duck Blues」では
逆にサニーランド・スリムのピアノが活きてていい感じ。
 
 裏ジャケをよーく見ると、なんとスリーピー・ジョンはWネックのエレキを
弾いてるんですよ。
そしてクレジットを見れば、なんとアール・フッカーが4曲ベースを弾き、
キャリー・ベルまでもがハープ以外にベースを2曲弾いちゃってる!