THELONIOUS MONK 
「THELONIOUS HIMSELF」        1957
 
 モンクの初めてのソロ・アルバムは
1954年、パリで録音された「SOLO ON VOGUE」で、
この「HIMSELF」はアメリカで録音された初ソロ・アルバムということになります。
 
 
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 51年に同乗したバド・パウェルの車からヘロインが発見され入所、
キャバレー・カード(これがないとステージ活動ができない)を没収され、
渡仏して「SOLO ON VOGUE」を吹き込んだのですが、57年には再交付され
晴れてアメリカで「HIMSELF」を吹き込んだのでした。
 
 ワタシ的にはトリオなどで、ベースやドラムスにキチッとリズムを
キープさせた中で、微妙な間合いで弾くモンクが好きなのですが、
やはりソロとなると、聴き手がリズムをキープできないというか、
逆に「間合いを共有できない楽しさ」というものもあり、
特にA-3のオリジナル・ブルーズ「Functional」での数々のフレーズを聴く度に、
「思いつき?それとも計算されたもの?」と悩んでしまいます。
大昔に買ったLPには収録されてなかった「Round Midnight」の
メイキング・ヴァージョンもCDには収録されており、
納得行くまで何度も何度もやり直す孤独な作業が興味深いです。
 
 初めて聴いた時はジャズを聴き始めの頃でもあり、
モンク特有の「モタツキ感」に馴染めなかったものですが、
今じゃ、この妙な間合いやタイム感がヤミツキです。(笑)