THE PAUL BUTTERFIELD BLUES BAND        1965
 
 当時、英国ではジョン・メイオールをはじめ、米国の黒人ブルーズを
追究するバンドが多く存在したのですが、
逆に米国ではブルーズ・ロック、とりわけ白人のブルーズ・バンドは
まだ珍しかったのでは...?
そんな中、ポール・バターフィールド、マイク・ブルームフィールド、
エルヴィン・ビショップらを中心としたこのバンドは
ニューポート・フォーク・フェスティヴァルに出演したところを
ボブ・ディランに見染められ、ディランのバックを務めることとなります。
 
 
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 さて、このバンドの魅力は、何と言ってもリトル・ウォルター譲りの
ポールのハーモニカと、スリリングにほとばしるマイクのギターでしょう。
「Born In Chicago」あたりのマイクのギターももちろん素晴らしいのですが、
エルモア・ジェイムズの「Shake Your Moneymaker」でのスライド・プレイも
なかなか絶品です。おもわずジェレミー・スペンサーあたりと比べちゃいますね。(笑)
 
 時同じくして、英国ではメイオール・スクールでエリック・クラプトンも
ブルーズを志していますが、ギター・プレイの引き出しの多さと表現力は
圧倒的にマイクのほうが2枚も3枚も上手のような気がするのは
ワタシだけでしょうか?
 
 それにしてもリトル・ウォルターの「Blues With A Feeling」では、
ヴォーカルの弱さをハーモニカがカヴァーして余りある演奏です。
またこのバンドはジェローム・アーノルド(b)とサム・レイ(ds)という
二人の黒人メンバーを含む混合バンド(これも珍しかったのでは?)ですが、
そのサム・レイが唄うマディの「I Got My Mojo Working」も圧巻です。
 
 当時のホワイト・ブルーズ・ロックとしては英国のほうが間口は広かったのですが、
米国にもこんな素晴らしいバンドが存在したことを再認識させられるアルバムです。