よく「無人島へ持って行くアルバム」とかっていう例えがありますが、
「電気も通ってない無人島で、どうやってレコード聴くんだよぉ!」的な
非現実的な発想ではなく、誰もがいづれ訪れる死期に際して
「棺おけに入れて欲しいアルバム」・・・これも棺おけと共に燃やされてしまう、
「あの世に持って行くアルバム」・・・持って行くというだけの満足感でしかなく、
実際、あの世で聴けるわけでなし。
それでは「葬儀で流して欲しいアルバム」とか
「死期が近づいた時に枕元で聴きたいアルバム」とか、
いろんなこじつけを考えますが、
ここは素直に「あの世へ持って行くアルバム」ということで...。(笑)
 
 なお、アルバム・タイトルの前の番号は好きな順番とか、優先順位とかは関係なく、
ランダムに載せて行きたいと思います。
 
 
イメージ 1
 
 
あの世アルバム 10 久保田麻琴と夕焼け楽団 
                       「ハワイ・チャンプルー」     1975
 
 
 
  『君を見知らぬパラダイスにつれて行く、魅惑のチャンプルー・サウンド』
 
 ん~、これ1枚でプチ世界旅行ができちゃうぞ!
ハワイ~ニュー・オーリンズ~沖縄~テキサス~メキシコ~上海...
 75年あたりは細野氏の「泰安洋行」や大瀧氏の「ナイアガラ・ムーン」など
いろんな国のリズムやメロディを下敷きにしたアルバムがリリースされており、
この「ハワイ・チャンプルー」も細野氏との共同プロデュースによるものです。
 
 A-5「ハイサイ・オジサン」、
喜納昌吉のヴァージョンが沖縄でヒットしたのが76年、
喜納氏のデビュー・アルバムに収録、リリースされたのが77年でしたから、
75年にすでにカヴァーした久保田氏は凄い!!ということになるのでしょうね。
 
 他にも「Walk Right In」や「I Love You So」「Sanfrancisco Bay Blues」
「South Of The Border」などのカヴァーもチャンプルー風味で美味なり!
 
 特に好きなのは、日本語で唄ったチャンピオン・ジャック・デュプリーの
A-6「I Love You So(いつの日お前は)」、
そしてこれぞテックス・メックス・チャンプルー
(言うなればチャンプルーの元祖ですな)の
B-3「South Of The Border(国境の南)」あたりだね。
これまた日本語で唄われた「国境の南」、このまったりしたリズムは
一体何なんだろう!?
もちろんUSAとメキシコの国境なのですが、布哇のエッセンスも付加され、
まさに国籍不明の浮遊感に酔いしれる...みたいな。
 
 このアルバムはホント、双六的な楽しみを密かに持ち合わせる名盤です。

 さて次回の「あの世アルバム」はレオン・レッドボーンの「オン・ザ・トラック」を
予定しています。