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MILES DAVIS 「MILESTONES」     1958

 マイルスは自己のクィンテットを結成するにあたって、
当初はソニー・ロリンズを念頭に置いてましたが、ヤク中のため諦め、
次の候補キャノンボール・アダレィもままならず、
仕方なくコルトレーンを迎えたのでしたが、そのコルトレーンに加え、
遂にアダレィの参加が本作にて実現しました。

 ガーランドが職場放棄してしまったためマイルスがピアノを弾くハメになった「Sid's Ahead」、
しばらくするとガーランドもフィリー・ジョー・ジョーンズも袂を分つことになるのですが、
珍しくフェイドアウトしちゃう「Milestones」、マイルス抜きの「Billy Boy」あたりは、
スタジオ内のテンションを想像するにあたって、ハラハラ、ドキドキさせられる曲です。
おまけに「Straight, No Chaser」のガーランドのソロで、パーカー時代のマイルスの
たどたどしいソロをガーランドがピアノで再現したとか...。
まさにマイルスを挑発してるというか、宣戦布告ですね。(笑)

 とにかく「Milestones」のリズミカルなテーマに続くキャノンボールのソロ、
マイルスの流麗なフリューゲルホーンに対し、まだ表現力不足のコルトレーン、
調子が悪かったのか、機嫌が悪かったのか、ガーランドの行き詰った感のピアノと、
そのあたりは別テイクのほうが演奏は荒いですが、より顕著でしょう。