『ブリティッシュ・フォーク界の大御所、リチャード・トンプソンが初めて放つソロ・アルバム!!
トンプソン・サウンドの真髄がここに!!』
フェアポートを脱退したRTが作った初ソロ。
「ハエ男ヘンリー」というわけのわからんタイトルが災いしてか、
セールス的には芳しくなかったけど、RTファンには絶大な支持を得ている作品です。
アルバムの内容は「ハエ男ヘンリー」とはまったく無関係で、
単にRTがこのジャケのような変装をしてみたかっただけなのか?
フェアポート脱退後とはいえ、サンディ・デニーも参加してるし、
やがて奥方となるリンダ・ピーターズ(リンダ・トンプスン)も参加してるんだから。
おまけにジョン・レンボーンとつるんでた女性フィドラー、スー・ドラヘイムの名も。
全曲RTのオリジナルなのですが、かなりトラッド的なメロディが多く、
当時のブリティッシュ・ロックがブルーズをベースにしていた背景を考えると、
このRTのベクトルというのは、確かに目を見張る価値があるはずです。
1曲目の「Roll Over Vaughn Williams」などはジョン・カークパトリックのアコーディオンや
バグパイプを模したギターのフレーズなど、トラッドのロック・アレンジに思えるのですが、
どっこい、正真正銘のRTオリジナルなんですよね。
それにしても、どれも捨て曲なし! やはりRTに駄作はないですなぁ。