以後、いくつかのライヴ・ヴァージョンでも聴ける「My Funny Valentine」、
ここでは初演ということになりますかね。
この曲のみコルトレーンがはずれるんですが、彼が吹いてたらどんな感じになったんだろう?
ちなみにこの曲でのクァルテットは完璧!です。
さて、マイルスのブルーズ「Blues By Five」、実に明快なマイルスです。
ガーランドの例の "コロコロ" としたピアノも素晴らしいし、
何と言ってもベースとドラムスがこのブルーズに息を吹き込んでる、て感じ。
アップテンポの「airegin」、どうですか、フィリー・ジョーのシンバル!
これに押されてマイルスのソロも絶好調ですね。
続く「Tune Up」もみなさん最初から飛ばし気味でやけにスリリング。
コルトレーンは吹きまくってるし、ガーランドも指が鍵盤を走ってる...。
リラックスした「When Lights Are Low」で4部作は幕を閉じるわけですが、
実際のマラソン・セッションはコルトレーンをはずした「My Funny Valentine」が
一番最後で、この曲でマイルスはプレスティッジへの契約上の義務を果たすわけです。
心はすでにCBSにあったと思われますが、うわついたところがまったくなく、
素晴らしい「やっつけ仕事」でした。
とにかく4部作の中では、日程的にも一番最後の部類の「COOKIN'」、
まったくムダのない作品に仕上がりました。