リトル・フィートの1stアルバムがリリースされたのが1971年、
もちろん日本ではさほど話題にもならず、
1972年11月発行の「スーパー・ロック・ギタリスト」(シンコー・ミュージック)
にはロウェル・ジョージはおろか、ウェスト・コースト系のギタリストは
ほとんど紹介されておらず、ブリティッシュ・ハード・ロックや
ブリティッシュ・ブルーズ系のギタリスト、あるいはプログレ系、ジャズ・ロック系の
人選で紙面は埋め尽くされてました。
よってわが国では73年のはっぴいえんど「HAPPY END」あるいは
75年の鈴木茂「BAND WAGON」、76年の矢野顕子「JAPANESE GIRL」で
その存在を一般的に知らしめた、と言ってもいいでしょう。
本作は日本ではまだまだ認知されていない時期の2ndアルバムです。
ラス・タイトルマンのちょっと荒削りのプロデュースの1stに対し、
基本的にはその流れを汲むものの、テッド・テンプルマンのプロデュースにより、
全体的にはこじんまりとしましたが、逆に楽曲の良さを引き立たせる結果となったような
気がします。
ニュー・オーリンズやR&Bなどの要素も取り入れたフィートですが、
「Cold, Cold, Cold」でのブルージーなスライド・ギターは最高!
もちろん名曲「Willin'」は言うことなし。
スヌーキー・ピートのスティールも上手く絡んでます。
タイトル・チューン「Sailin' Shoes」のシンプルな編成が産みだす不思議な揺らぎは
ちょっとした魔力みたいなものさえ感じます。
蛇足ながら、ワタシ的にはネオン・パークがデザインするジャケは
どうも好きになれませんが...。(笑)