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THE TRAIL BAND 「VOICES FROM THE OREGON TRAIL」     1992

 中古盤を購入したのですが、ジャケットにメンバーのサインがしてあるところをみると、
1994年幕張メッセでの「アメリカン・フェスティヴァル」に出演した時に
会場で買われたCDだと推定します。

 オレゴン・トレイルとは、19世紀頃の開拓者たちが利用したミズーリ州北西部から
オレゴン州までの3200キロほどの山道のことです。

 さて、このTHE TRAIL BAND、9人組(裏ジャケには8人しか写っていない)で、
寸劇や唄、演奏を交えて、西部開拓史を伝導する "語り部" のようなものでしょうか。

 裏ジャケの前列右側に写ってるミック・ドハーティという髭もじゃのおっさんが
ハンマー・ダルシマーをプレイしています。
アイリッシュ・トラッドによく登場する楽器で、ハンマーで叩く弦楽器とでも
思っていただければよろしいかと思います。
ギター、フィドル、バンジョー、マンドリンなどを用いたブルーグラス風のサウンドに
このハンマー・ダルシマーやチューバやコルネット、リコーダーなどの管が加わるのが
特徴です。

 チューバなどの管が入ることによって、サウンド的には柔らかい音色となるのですが、
そこにハンマー・ダルシマーの硬質な音色が加わることによって、
開拓者や移民たちの苦労が唄や演奏で和らいでいたものと思われます。
面白いのは、道中遭遇したと思われるインディアンを表現した
「Native American Flute Medley」というのがあって、
ネイティヴ・アメリカン・フルートで演奏されています。
アンデスのフルート・ソングに通じるものがあります。

 裏ジャケにはヴォーカルを担当する女性、リンディ・ロスが写ってなく、
ジャケのサインはメンバー9人とプロデューサーのマーヴ・ロスを加えた10人分が
書かれているようです。